続・【ぎんざ一二岐(いぶき)】のこと

  • コース

 改めて献立を見た。

【文月 お献立】

    1. 先附 揚げ胡麻豆腐
    2. 御椀 うなぎ豆腐 針ねぎ 木の芽
    3. 造り 旬魚の造り
    4. 強肴 かつをわら焼き
    5. 八寸 金太郎鰯の生姜煮 長いも・このこ うに寿司 川えび素揚げ 水茄子フライ
    6. 焼物 四万十川天然鮎の塩焼き すだち
    7. 蒸物 冷製茶わん蒸し 焼き鱧 枝豆 生姜あん
    8. 食事 土鍋御飯
    9. 甘味 とうもろこしアイスの最中

 *その日の仕入れ状況により異なることがございます

なかなか凝ってる。
わくわく・・・。
 ま、まずはビール。

「こう暑くっちゃビール飲まにゃあでやってらんにゃあよねー」

グラスのビールだった。

「さすがに取っ手はついてにゃあで・・・」

ぐっとひと口。

「おっ!これはっ・・・!」

アサヒの樽ナマだった。
うれぴ〜〜っ!
 うれぴ〜けど次はどーするか・・・?
この料理でずっとビールはにゃあ。
あり得にゃあ。
飲み物リストを見る。
シャンパン、ワイン、日本酒、焼酎・・・。
結構いろいろある。
ワインは山梨・長野が中心。

「こりゃ、国産ワインのが料理に合うってこんだべなー・・・」

お値段的にもうれぴ〜。

「リストの他にも幾つかございます。お好みを仰って頂ければご用意出来ます」

こりゃあ常連になったらいいべなー・・・。

  • 流れ

 いざ、スタート。
まずは先附。
「揚げ胡麻豆腐」。
ちと変わってる。

「中がお熱くなってますので、お気をつけ下さい。柔らかかったらスプーンでどうぞ」

木のスプーンがついてる。
小ぶりの揚げ出し豆腐がだし汁に浸ってる。
胡麻豆腐を揚げるか・・・。
 ふーふーしてからひと口。

「う、美味ゃあっ!何じゃ、こりゃあっ!」

っつーくりゃあに美味かった。
滑らかで、香ばしくて、ダシが利いてる。
ついついスプーンでだし汁も飲んじまった。

「こりゃ、ちぃっとしょっぴゃあなあ・・・」

っつか、こりゃ飲むモンじゃにゃあのかも・・・。
 それにしても・・・。
この揚げ立ては感激モノ。

「いつの間に揚げてたんだべ・・・?でんでん気がつかなんだ・・・」

そー言えば・・・。
何て静かな調理場なのか・・・。
音がしにゃあ。
食器の音もしにゃあ。
見てると扱いがめっちゃ丁寧。
んで、みんなが流れるように仕事してる。
いつの間にか店は満席。
でも、誰ひとり待たせるこんがにゃあ。

「すぎゃあなー。何だか芸術的な仕事ぶりだで・・・」