続々・【江戸三鬼子母神】のこと

  • 縁起

 正式名は【曹洞宗萬頂山高岩寺】。
誰も知らにゃあら・・・。
みんな【とげぬき地蔵尊】と思ってるべ。
んなこたあにゃあ。
一緒にするじゃにゃあ。

「知ってる衆はちゃあんと知ってるだあよ!」

 歴史は古りぃ。
1596年(慶長元年)に開かれた。
場所も「湯島」だったそうな。
それが60年後に引っ越したらしい。
行き先は「下谷屏風坂」(現・上野近辺)。
1891年(明冶24年)。
区画整理の為に「巣鴨」に越して来た。

「まだ巣鴨の住人としちゃあ百年ちぃっとなんだ・・・」

 霊験はあらたか。
ご本尊は延命地蔵菩薩だに。
でも、菩薩さまは秘仏
拝見する事は出来にゃあそうな。
でも、そのお姿から作られた「御影(おみかげ)」がある。
和紙だで。
これに祈願すればご利益がある。
んで、本堂で授与してくれるそうな。

  • 「御影」

 「御影」は奇跡を起こした。
1700年頃に不治の病を治した。
「御影」のお陰。
その後、更に奇跡が・・・。
毛利家の女中が針を飲んじった。

「ひゃあ、がりゃあでもそんなこんがあるだか・・・」

 女中はもがき苦しんだ。
ある僧侶が「御影」を水で飲ませた。
すると吐き出せた。
針はちゃあんと「御影」に刺さってたそうな。

「そいで【とげぬき地蔵尊】って訳だかねー」

 「御影」は和紙。
縦4センチ横1.5センチの大きさ。
中央に尊像が描かれている。
痛いところに貼ったりする。
ノドに骨が刺さった時は飲んだりする。
すんと治るそうな。

「ひゃあ、ノドの骨が多いに、一度飲んでみっかなー」