続・日本料理【明石】のこと

  • 前菜

 前菜もキレイだった。
白木の盆に5品が並んでる。
見るからに楽しい。

【豌豆旨煮 美味出汁】
【のびる 諸味噌】
【菜の花 白和え】
【焼ヤングコーン】
【床節磯煮】

 これに桜の小枝が添えてあった。
今にも開花する寸前。

「ひゃあ、こら可愛そうだんべや。持って帰ゃーって活けてやんべー」

んで、味は・・・。
 予想が当ってた。
全体に東京味覚だった。
とにかく濃い〜い。
【床節】なんか、佃煮かと思った。

「ひゃあ、ぜ〜んぶこの味付けだんべか・・・」

ちと暗くなっちった・・・。

 もう1つ気になるこんが・・・。
例えば【豌豆旨煮】。
グリンピースの食感はゴジゴジと野性味たっぷり。
【美味出汁】は濃い〜い。
けんど、豆には浸みてにゃあ。

「ひゃあ、見た目はシェリーグラスでキレイなんだけんど・・・」

 【ヤングコーン】もクセモノ。
皮もヒゲも全部ついてて野性味たっぷり。
姉さんは言った。

「良く焼いてありますから、全部食べられます・・・」

チャレンジしたら、めっちゃエグい。

”ひゃあ、こら喰えにゃあよっ!”

 【のびる】は涙が出るほど辛かった。
やっぱ、野性味たっぷりの仕立て。
【白和え】はチーズ風味の白和えだった。

「ひゃあ、菜の花の香りがふっ飛んじまあじゃ」

野性味たっぷり・・・。
ひょっとして・・・芸がにゃあ・・・?

  • 椀盛

 お椀が出た。

【日光天然水仕込み 蛤潮仕立て】 蛤しんじょう 粒椎茸 こごみ 桜人参 木の芽

これは面白かった。
お椀の真ん中に5cmっくりゃあの大ぶりハマグリ。

「ひゃあ、できゃあのが入ゃーってんじゃ!」

 っと思ったら、これがしんじょうだった。
ちゃんと貝のカタチに作ってある。
んで、喰ってみたら中に丸ごとのハマグリが・・・。
こっちはモノホン。

「ひゃあ、ヘンなとこに芸が細きゃあなあ・・・」

 【日光天然水】のヘチマの・・・。
あんまし意味がわかんにゃあ。
どんな水でもあん梅にゃあんまし関係にゃあら。
出汁が全〜部共通。
濃い〜い、塩ょっぴゃあ潮汁だで。

  • お造り

 姉さんいわく。

「【一休さん】のお客様にスペシャルです。通常3点盛りが、5点盛りになってございます」

おー、そりゃ有り難てゃあこんだ。

【本日の旬鮮魚】 あしらい一式

 姉さん、説明してくれる。

「えー、アジと本マグロ、タイ、アオリイカ、そしてサヨリでございます」

何のタイか?とは訊かなかった。
野暮な事ぁしにゃあ。
「床節」のことを「アワビの子」って説明してたし・・・。
 んで、味は・・・?
美味ゃあっ!
鮮度が良くて、ちっと乾き気味。
個人的に好みだで。

「っつか、今まで東京で不味い刺身を喰ったこんがにゃあで」

築地は偉大だっ!