続々・「モツ・ピクニック」のこと 【1/29】

  • ハニムーン

 ふと気づいた。
周りはハニムーンカップルばっか。
フルムーンは2組っくりゃあ。
1組はウチ。
もう1組は、例のビジネスで来た衆。
レストランでもスーツ着てた。
シャンパン・ワイン何でも来いって飲んでた。

「ひゃあ、同じフルムーンで、どーしてこんなに違あだか・・・?」

 ハニムーン組はてゃあへんっ!
オトコどもは必死。
いい想い出作りが使命らしい。
準備ばんたん。
フル装備に防水カメラ。
カノジョ用のタオルやら何やら、荷物もいっぴゃあ。

「観てると、いっぴゃあいっぴゃあだで・・・」

 オトコは頑張る。
頑張っちゃう。
頑張って、珊瑚礁に近づく。
サカナとカノジョのいい写真を撮りてゃあ。
必死でベストアングルを探す。
そこそこ潮の流れもある。
やっと船に戻ったカレの足は血まみれだった・・・。

「ひゃあ、てゃあへんなこんだなー」

  • お約束

 「ワタナベさん」慣れたモン。

「あらあら、やっちめーやしたねー。どら、このクスリでもつけといてくんなー」

キズ用の軟膏とか渡してる。
別に驚きもにゃあ。
感激もにゃあ。
ハニムーン毎度のこんらしい。
 写真撮影も大切な仕事。
「ワタナベさん」あっちこっちに声をかける。

「ご一緒にお写真撮りましょうか?」<<
テキゃ、いい想い出作りが使命。
このひと言がとっても嬉ぴい。
ニッコニコで写真に収まる。
 「ワタナベさん」が来た。
一応、我々にも声をかけてくれる。
気ぃ遣ってんだべなー。

「ひゃあ、若きゃあのにてゃあしたモンだで・・・」

せっかくだから写真撮ってもらった。

「ひゃあ、こいで葬式用の写真は揃ったじゃんか。いつでもお迎えOKだで・・・」