続々々・神楽坂・文京界隈のこと

  • 腐蝕

 メイン通りを歩く。
その名の通り、ひたすら上り坂。
結構な坂だで・・・。

「ひゃあ、どこが『プチ・フランス』だかね・・・?」

どーもイメージが合わにゃあ・・・。
フランスっぽい店なんてにゃあ。
 記事に書いてあった。
パリの裏路地ムードの喫茶店。
伝統料理「ガレット」を出すクレープ料理店。
切り売りしてくれるチーズ専門店。
フランス雑貨店。
ブティック・・・。

「何だか、んなモン1軒も見えにゃあで・・・」

 目につくのはジャンクフード。
牛丼、バーガー、居酒屋・・・。
どこの駅前にもあるで。
どこにでもある今風の景色だで。
通行人も和風。
フランス人っぽいのなんかまったく見えにゃあ。

「ひゃあ、景観保護とかしてにゃあもんで、いつの間にか腐蝕しちっただかね・・・」

 坂道を上り切った。
この辺りからちぃっと景色が変わった。
ジャンクチェーン店が見えなくなった。
昔ながらっぽい店もちらほら。
お!
遂にフレンチレストランも・・・。

「やっと記事通りの景色になって来たなー」

 鳥居が見えて来た。
まっ赤っかな山門も見えて来た。
毘沙門天善國寺】っつーそうな。
場所が場所。
そんなに広々してる訳じゃにゃあ。
境内を散策するってムードじゃにゃあ。
外から写真を撮るのがせいぜい・・・。

「世知辛いのはいずこも一緒だで・・・」

 創設は1595年とか。
徳川家康」公の時代だで・・・。
初代住職は「佛乗院日惺(にっせい)上人」っつーヒト。
元【池上本門寺】12代貫主とか。
関白「二条昭実」公の実子だったそうな。

「何で、そんな偉りゃあヒトが・・・」

って思うべーじゃ。
何でも元々「家康」公と親交があったとか・・・。