【富士山】のこと 27
- チャレンジ
本来の「砂走り」はこうだったらしい。
小豆粒ほどの溶岩砂がびっしり敷き詰められてた。
走ると気持ちいい。
フワフワで、空を飛ぶが如く。
っのはずだった。
ここだけはまさにそんな感じだで・・・。
「ひゃあ、こいだら冒険してみようかって気になんで・・・」
小豆粒も風化したらしい。
踏み荒らされた。
多くのヒトに踏み潰された。
ブルも岩ごと踏み潰した。
これが今の「砂走り」。
たまたまキレイな部分がちっとだけ残った。
ここはブルが入ちゃーってなかったらしい。
「よっしゃ!やってみんべー!」
小走りしてみる。
ちょっと下方の砂山っぽいところを狙う。
カカトから足を放り込む。
フワフワの砂が受け止める。
ず〜っと足が滑りつつ下に進む。
ホントに1歩が2mっくりゃあかも・・・。
「ひゃあ、こりゃあ気持ちいいわ!クセになりそーだでっ!」
- 蹉跌
んな、大それたモンじゃにゃあ。
けんどコケた・・・。
しばらくは「砂走り」を楽しんだ。
フカフカの木目が揃った砂。
ホコリなんか立たにゃあ。
「こりゃあ確かに気持ちいいわー♪」
空中散歩的な・・・。
っと思ったのも束の間。
ちょっと走ったら、又元の砂礫に戻った。
溶岩礫交じりの砂。
ちと危うい。
加えて脚が大分疲れて来た。
「やびゃあっ!バランスを立て直す筋力がにゃあ・・・」
っと思った瞬間コケた。
砂の中の溶岩礫に乗っちった。
ぐりんっ!
っと足が持ってかれた。
すかさず身体を反転させて耐えようとした。
でも、脚力がついてこにゃあ。
左手を突いちまった。
「あ〜あ・・・。血じゃらけだで・・・」