【富士山】のこと 22

  • キャタピラ車

 「お鉢巡り」の最終コーナー。
下りたくにゃあけんど下る。
散々下った後は、やっぱ登りになる。
しんどい。
息も絶え絶え・・・。

「やっぱ、酸素が薄しぃって気がすんなー」

 上り坂の途中にポンプが。
山荘に水を送る為の装置らしい。
ちょうどいい。
ポンプの横で休憩・・・。
火口の底にゃ池が出来てる。
雪解け水が溜まってるんだべ。
そこにキャタピラ車が・・・。
何か作業してる。
こっから水を汲み上げるらしい。
 キャタピラ車がいごいた。

「ごいん、ごいん、ごいん、ごいん・・・」

ポンプの横まで上がって来た。
グラサンの兄ちゃんが運転してる。
ポンプをいじくってから又クルマに乗る。
舎弟からナキ。

「ひゃあ、1000円払あから乗っけてってくんにゃあかなー」

気持ちはわかる・・・。

  • 「釈迦の割石」

 しんどいながらも景色は観た。
左手に小高い山があった。
「白山岳」っつーそうな。
その山に角張った崖の部分がある。
「釈迦の割石」っつーとか。

「何となく、あんまし注目されてにゃあ気がすんなー」

調べてみてわかった。
「白山岳」は、昔「釈迦ガ岳」と呼ばれてた。
んで、「釈迦の割石」と呼ぶらしい。
昔の絵葉書、登山案内には必ず出てたそうな。
「お鉢巡り」の名所の1つだった。
すぐ真下から仰げたらしい。
でも外輪コースが変わっちった。
現在は危険なので通行禁止になってるそうな。
 歴史はおもしい。
元々、富士山頂には仏教的な地名がついてたらしい。
山頂の8つの峰を「八葉蓮華(はちようれんげ)」に例えた。
「お釈迦様」が座っている蓮のこん。
そいで、その「八」から「おはちめぐり」と呼ばれたそうな。
ところが明治維新で「廃仏毀釈」が起こった。
で仏教色を廃する為に「お鉢」に改名されちった。

「そっかあー。そいで富士山は浅間さんなんだー・・・」