更に・【鉄砲洲稲荷神社】例大祭のこと

  • 恨み雨

 この後はびみょーな天気だった。
ドカっと降ったり、バカっと晴れたり・・・。
当事者はてゃあへん。
雨カッパ姿の衆もかなりいた。
でも、やっぱサマんなんにゃあだよねー。

「ひゃあ、そら神輿にビニールカッパはぶしょってゃあら!」

 全体に雨がちになった。
さすがに神輿も待避するようになった。
そりゃ、若きゃあ衆ばっかじゃにゃあ。
年寄が肺炎でも起こしたらてゃあへんだで・・・。
無理しにゃあ方がいい。
雨が止むと一斉に繰り出す。

「ひゃあ、いちいち高層マンションから出てくのはホネだで・・・」

 しみゃあにゃ、ベランダから観た。
高見の見物ってヤツですか・・・。
あちこちからお囃子と掛け声が聞こえる。
いいモンだで・・・。
都会の真ん中で江戸情緒。

「ひゃあ、江戸の祭の真ん中にいるって気がすんで・・・」

  • 神事

 近所に晩メシ喰いに行った。
どこでも歩んで行ける。
銀座でも、築地でも、日本橋でも・・・。
季節が良きゃあ歩んでて気持ちいい。
【鉄砲洲稲荷神社】の前を通った。

「ひゃあ、まだ何かやってるだかね・・・?」

 やってるどころじゃにゃあ。
境内には法被姿がうじゃうじゃ・・・。
社の中もヒトがいっぴゃあ。
宮司衆が忙しく走り回ってる。
灯りが煌々と点いてる。

「松明の火をお守りするだけでもてゃあへんだで・・・」

 社の中じゃ神事が続いてる。
氏子衆がずらっと座ってる。
何かお祈りしてもらってる風だった。
何かわかんにゃあけど、シキタリがあるんだべなー。
次の氏子衆が境内で待ってる訳だ。
松明係が呟いてた。

「もう40分過ぎたよ・・・。この分だと全部終わるのは11時過ぎだなあ・・・」