もうちっと・両国界隈のこと
- 幕命
時の将軍は四代「家綱」公。
「家綱」公は命じた。
「隅田川の東岸に土地を与えるで、無縁仏を手厚く葬るように」
10万人以上の焼死者があった。
その多くは無縁だったそうな。
作業に当ったのは「遵誉上人」。
「万人塚」ってな墳墓を造った。
そして念仏をあげる「御堂」をこさえた。
ここで大法要を執り行ったそうな。
これが【回向院】の始まり。
「ひゃあ、言ってみりゃ【江戸慰霊堂】だったんだー」
その後「安政大地震」とかもあった。
他にも無縁仏は出た。
そのたんび、ここに葬ったそうな。
あらゆる宗派OK。
ヒトだけじゃにゃあ。
ペットの墓もいっぴゃああった。
- 「諸宗山」
山門に書いてある。
【諸宗山回向院】。
ちゃあんと理念がある。
「有縁・無縁に関わらず、人・動物に関わらず、生あるすべてのものへの仏の慈悲を説くもの」
「ねずみ小僧」の墓もある。
だから江戸庶民に尊崇された。
地の利も良かった。
巡礼の札所にもなった。
展示会場みてゃあなモンにもなった。
全国有名寺社の秘仏秘像が開帳されたそうな。
勧進相撲も始まった。
公共社会事業の資金集めの為だった。
「ひゃあ、元々は相撲ってえのはそーいたモンだったんだー」
変遷はいろいろあったらしい。
大火や震災、戦火・・・。
都度、ひでえ目に遭った。
でも檀家衆の協力で今日まで続いてる。
「ひゃあ、きっと『ねずみ小僧』も喜んでんで・・・」