同窓会もどきのこと

  • 電話

 突然固定電話が鳴った。

「ひゃあ、どうせ又墓地の勧誘だら・・・?出にゃあでいいで」

留守電に変わった。
聞き覚えのある声が流れた。

「もしもし、デコボコ大学の同級生のポコペンです・・・」

ありゃ!
 慌てて受話器を取る。

「じゅわっきっ!」

確かに同級生だった。
ン十年ぶり。
半分ウガウガしながら話す。
同級生の1人がガンの手術をしたそうな。んで、元気になったんで一度会いたいと言ってるそうな。
ま、断わる理由はあんましにゃあ。
 銀座で待ち合わせ。
元気とは聞いてても、こっちゃウガウガしちゃう。

「ひゃあ、ガリガリくんみてゃあな顔だら見たくにゃあなあ・・・」

ここは勝負だで。
何つー事ぁにゃあ。
本人はすこぶる元気だった。
節制してるって言いながら、一番飲んで喰った。

「ひゃあ、杞憂だったで・・・」

  • 温熱療法

 いろいろ話を聞いた。
結構、深刻な状況ではあったらしい。
最初に診せた医者がヤブふだった。
っと強調してた。
俗な化学療法だったとか。

「だいたい、ガンに効くクスリなんかねえよなっ!」

 試行錯誤したらしい。
いろんな情報も集めたそうな。
全国、飛び回ったと言う。
温泉も行った。

「そいでもやっと信頼出来る医者に出会えた。オレの話を聞いてくれたんだ」

オレの話を聞けぇ〜っ!
5分だけでもいい〜いい〜い〜。
 聞いてくれたそうな。
早速、手術して、その後は自己治療。
食事・運動・温熱療法だという。
化学療法なし。
医者はそれを容認してるという。

「1千万以上かけて自宅に岩盤浴場を造ったんだ・・・」

ニンゲンの底力を見た。