青天の霹靂のこと

  • 意味不明

 まさにこんな時に使うんだべ。

【晴天の霹靂】

まったく思いがけにゃあ内示が来た。
子会社に転籍・・・。
役職定年でのんびり出来ると思ってた。
窓際で日がな新聞読んで暮らそうと思ってたのに・・・。

「ひゃあ、まだ働けっつーだかね?」

 って思ったのは本人だけ。
周りの眼はでんでん違ってた。
明らかに悪意を感じる。

「何で、あんなヤツが子会社に行けるんだ!」
「あんにゃろー、学歴もにゃあのにどこに繋がってやがんだ!」

みてゃあな・・・。
露骨にそーゆー眼だった。
 本人が一番びっくり。
身に覚えがにゃあ。
確かに恐いモンは無くなった。
あとは窓際で定年を待つだけ・・・。

「ひゃあ、早あとこ『早期退職制度』か何かやってくいよっ!」

縁側でネコ抱いて暮らせるに・・・。

  • オレオレ

 面白い事がわかった。
人事情報をリークしてくれるヒトが沢山いた。
つまり”恩人”が沢山現われた。
正式発表にはまだ間がある。
言い方はいろいろ。

「君しかいないと思って、強力に推したんだ・・・」
「昔から一緒に苦労して来た仲じゃないか。当然プッシュしたよ」
「ライバルもいたんだけどさ、是非喜んで欲しいね」

 事情はよくわかんにゃあ。
オレが、オレがってヒトが続々・・・。

「ひゃあ、あんたは蹴落とす事はあっても推す事ぁにゃあら?」

ってヒトまで混ざってた。
でも、少なくとも誰かが名前を出したんだべな・・・。
素直に感謝しなきゃいかんざき・・・。
 近しいヒトは言った。

「お前、間違っても断わるなよ・・・」

それを聞いて思った。

「ひゃあ、こいつ性格わかってんじゃんっ!」