国内線のこと 【11/22】
- 【ベニート・フアレス(Benito Juarez)】
19世紀の大統領。
メキシコ内戦の勝利者。
改革の指導者。
ってんで、空港の名前になってる。
市内の大通りの名前にもなってた。
「ひゃあ、そー言やあ日本でも『羽田空港』ってあるもんなあ・・・」
全然違うから・・・。
昼メシが済んだら空港へ。
国内線で「メリダ」に移動って段取りだで・・・。
でも、順調じゃなかった。
「ミサりん」も「市川さん」も昼メシ喰えず。
レストランを出たり入ったり。
ケータイ片手に飛び回ってる。
HISの現地スタッフまで駆けつけてる。
「ひゃあ、何ょおゴタゴタやってっだあね?」
「ミサりん」が切れかかってた。
「おひとり、帰るって言い張っててバスを降りないんです」
例の【木の芽どき】だで。
「ひゃあ、またあのクソっ小僧かっ!放っときゃいいじゃんかっ!」
どーでもいいけどゴタついてた。
「ミサりん」もアタマ抱えてる。
「皆さんが一緒に行こうって言ってくれれば行くって言ってるんですけど・・・」
一同、色めきたつ。
「なあ〜にょ〜っ?っざけたこん、ほざいてんじゃにゃあよっ!」
って思うに決まってんじゃんか。
「あ、今のは聞かなかった事にして下さい。済みません・・・」
何だか、気の毒・・・。
- 小1時間
昼メシはとっくに済んだ。
みんなレストラン前でたむろしてる。
「だあからよぉ〜、帰るからカネ出せっつってんだろー」
相も変わらずバカとすったもんだしてる。
天下の往来だで。
「ひゃあ、いかにも邪魔っくしゃあな・・・」
「市川さん」は首を振ってる。
「いやあ、私もガイド暦長いですけど、こんな客は初めてですねえ・・・」
「ミサりん」が気づいた。
「あ、皆さんバスに乗ってお待ち下さい」
やっと異常さに気づいたか。
それからまだ小一時間。
あ〜でもにゃあ。
こ〜でもにゃあ。
一度、「ミサりん」が憤然とバスに乗って来た。
んで、バカの荷物を持って降りてった。
「ひゃあ、やっと帰る事でケリがついたか・・・」
っと思ったら、違った。
一同がバスに戻って来た。
バカも一緒。
車中、あちこちで囁き声が・・・。
「ひゃあ、何だぁ〜!とっとと帰ればいいのよ!何甘えた事言ってんだか・・・」
静まり返ったバスは一路空港へ。
憔悴しきった「市川さん」とはここでお別れ。
「ひゃあ、お疲れさまでしたねえ・・・」