ハンデキャップのこと　【11/20】

　今回の旅はちょっと趣が違あ。
るんるんって訳にゃいかにゃあ事情があった。
嫁さんがケガしちった。
しかも、出掛ける４日前ぁ。
ふつーに歩けにゃあ・・・。

「ひゃあ、そんなんで行けるだかね？」

　前日の夜も医者に行った。
旅行に行くので、何とかしちくれいって頼んだそうな。
ばしばしにテーピング。
杖まで借りて来た。

「ひゃあ、鬼でも行っちゃるわいっ！」

気迫にあふれてる・・・。
　鎮痛剤も山ほど持った。
貼り薬もこらしょと持った。
でも、杖は家に置いて来た。

「ひゃあ、借りモンだで、どっかに忘れたりすると困るじゃ！」

ま、それもそーだ。
ひょっとして、じじーが杖か・・・？

　こりゃ大変だで。
スーツケースを２つ運ばなきゃなんにゃあ・・・。
っと思ったら、さに非ず。

「ひゃあ、こやあ杖代わりにちょうどいいで。こいを転がしてくわ・・・」

　確かに・・・。
転がしながら身体を預けられる。
転んでもタダじゃ起きにゃあね。
でも、スーツケースはチェックインで預けちまあ。

「ひゃあ、あとはやっぱじじーが杖かい？」

　手をつないで歩んだ。
正確に言うと、じじーの手に体重を預けて歩んだ。
ま、傍から見りゃ手つないでる。
考えてみりゃ、最近手つないだこんってにゃあら？
何となくノリが違あ・・・。

「ひゃあ、新婚旅行だって手なんかつながなかったべやっ！」