宮殿地区のこと【1/11】

  • 手つかず

 【ファテーブル・スィークリー】
ようやく話が見えた。
断片がちゃんとつながって脈絡が出来た。
ま、遷都されたって事はわかった。
子宝のお祝いで・・・。
皇帝のチカラじゃ。

「ひゃあ、これもイスラムの世界だからこそ、世界遺産が出来たんだ」

 ここは自然の丘陵。
長さ3km、幅1.5kmほどあるそうな。
ここに宮殿とモスクが造られた。
んで、周囲に城下町があったらしい。
城壁は申し訳程度。
「アクバル」は考えた。
攻められたら「アグラ」に逃げりゃいい・・・。

「ひゃあ、いつの世もえりゃあヒトはそんなもんだ」

 幸い、戦乱は無かった。
何ってったって、自主的に城が放棄された。
んで、手つかずの遺跡が残った。
今でも16世紀の建物が、まんま。

「ひゃあ、いいような、悪いような・・・」

  • ピーカン

 郊外の所為だべか?
天気はピーカン。
気温もずいぶん上がってる気がする。
南だから・・・?
デリーから200km南下しただけで・・・?

”天気がいい ⇒ 暖かい ⇒ 焚き火しにゃあ ⇒ スモッグがにゃあ”

って好循環なんだべな・・・。
 良く出来た遺跡だった。
建物は全て赤砂岩で造られてる。
現役の頃はこれに木造部分もあったそうな。
更に布製品も使われてたらしい。

「ひゃあ、想像するとちょっと良さっぽいじゃん」

 今はセピアのモノトーン。
光をいっぱいに浴びて、赤さが増す。
一種独特な雰囲気。
イスラム建築なんだけど、ちょとインドの臭いもする。
雨対策でヒサシが突き出てる。
装飾もヒンドゥー様式。
 ヒンドゥーと【ムガール】様式の融合。

「ひゃあ、『アクバル』の狙ってた通りの様式なんだんべ」

「チャトリ(小亭)」も建物にツキモノ。
実用性はわかんにゃあ。
でも、必ずくっついてて雰囲気出してる。
ここには雑草は生えにゃあ。
きっと誰かが”くちゃとり”してる・・・。(^^)