ハイウェイのこと【1/10】
- アグラ
【クトゥブ・ミナール・コンプレックス】
これでデリー観光はおしまい。
この後、クルマは一路アグラに向かう。
ハイウェイらしき道路に入った。
これがすぎゃあっ!
すし詰め状態。
「ひゃあ、何でもありじゃんっ!」
とにかくすぎゃあっ!
”ヒト、ワンコ、ウシ、ヤギ、ブタ、イノシシ、チャリンコ、リヤカー、バイク、
馬車、オートリキシャー、トラクター、荷車、タクシー、ボロ乗用車、
高級乗用車、タタのボロトラック、タタのボロバス・・・”
更に20トンクラスのトレーラーも走る。
ぐっちゃぐちゃっ!
しかもルールもヘチマもにゃあ。
スキあらば、割り込む。
大渋滞になってる。
「ラクさん」が言う。
「インドでクルマが運転出来れば、世界中どこでも運転出来るね。
それがあります」
それって自慢になるか?
事故はにゃあのか?
あるらしい。
「事故は多いね。特に不法移民や、地方から出て来たヒトは危ないね。
それがあります」
- 夕暮れ
だんだん暗くなって来た。
やっぱ、冬の陽である。
「ひゃあ、暗くなるのが早あなあ・・・」
つるべ落としの”家族に乾杯”・・・。
外の景色はますますすぎゃあっ!
恐ろしいっ!
ここは、ライトって感覚が希薄らしい。
無燈火の乗り物がめっちゃ多い。
テールの反射板すらにゃあ。
リヤカーとか、荷車とか、馬車は何となくわかる・・・。
でも、チャリンコも、オートリキシャーも・・・。
暗闇に、突然姿が現われる。
見てると胃が痛くなる。
「ひゃあ、闇鍋みてゃあだなあ」
事故がにゃあ訳ぁにゃあ。
「『ラクさん』、ウシとか、ヤギとか轢かれないの?」
って思わず訊いちゃう。
「ラクさん」の答え。
「時々、轢かれるね・・・」
実際、何度か現場に出くわした。
そーゆー時は、自動的に焦点がボケる。
見てない。
「ひゃあ、人生も長くなると自然に防衛本能が働くだに・・・」