現地ガイドのこと【1/9】

 

  • 自己紹介

 日本語でしゃべった。

「『ラク』といいます。『苦あれば楽あり』の『ラク』です・・・」

ほっほ〜。
日本人に慣れてる。
日本語も致命的じゃあにゃあ。
何とか聞ける。
どーしてもわかんにゃあ時は、奥の手。

「ひゃあ、英語で言ってくいよ!」

これで通じた・・・。
 「ラクさん」は小柄だった。
どっちかと言えば痩せ型。
良く日焼けしてる。
彫りの深い顔立ちで、目ができゃあ。
まっ黒れえ眉毛と髪の毛とヒゲ・・・。

「ひゃあ、インド人みてゃあだなあ・・・」

 ケータイの番号も教えてくれた。

「ワタシにデンワしてクダサ〜イ!」

って、昔あったなあ・・・。
ま、かける事ぁにゃあと思うけんど、一応メモる。

「098●●●●0317で〜す。とっても長いね」

確かに長いっ!
でも、日本と同じケタ数じゃ・・・。

  • 著名人?

 自己紹介が続く。

「ワタシ、見たことない?日本のテレビに3回出てるよ」

へ?

「見たこと、ないなあ〜。何のテレビさ?」

ちょっと凹みながら・・・。

「うるるんってあるでしょ。あれに3回出たね。
番組のコーディネータをしました」

ほっほ〜。
 37歳だそうな。
独身。
日本語学校を出て、ガイドになったそうな。

「独身だけど、家には若者のメイドがいます」

ほっほ〜。
優雅な生活してるんだ・・・。

「地方の貧しい若者を雇って、学校に行かせてるね」

ほっほ〜。
なかなか・・・。