珍しくもない本の雑感90

 【ヒンドゥー教とイスラム教

 いんど関連本の第2弾。

ヒンドゥー教とイスラム教

何と、岩波新書
これも【BOOK-OFF】の100円コーナー。
でも、何となく雰囲気がある。
何となく格調高い。
思わず背筋が伸びたりして・・・。
 著者も格調高い。

「荒 松雄」 1921年生まれ。
1944年、東京帝国大学文学部東洋史学科卒・・・。

今年、米寿を迎えたって事かな・・・?
1944年かあ・・・。
敗戦の前年に卒業出来た。
前線にも送られなかったんだべか・・・?
かなり運が良かったヒトなんだべな。
 第1刷が1977年。
以来、版を重ねて32年・・・。
手にした本は1998年版。
第31刷とか・・・。
いんど関連本の古典かも知んにゃあ。
でも、随分参考になった。

  • 体感

 このオジサンも、やっぱいんどに行ってる。
最初に行ったのは1952年。

「ひゃあ、生まれる前だでっ!」

ベナーレスのヒンドゥー大学に留学。
2年を過ごしたそうな。
 ラクでは無かったらしい。

「ひゃあ、いきなし荷物がにゃあっ!」

初日から、ロストバッゲージだったとか・・・。
荷物が戻ったのは1ヶ月後。
でも、逆にこの”不幸”で仲間に恵まれたそうな。
 仲間と、あっちこっち歩った。
いんど国内を旅行しまくったらしい。
世界各国から留学生が集まる。
みんな好奇心旺盛。
ヒンドゥー王国の都を訪ね回った。
そして思った。

「ひゃあ、ヒンドゥームスリムの両文化は融合してんじゃんっ!」

 その発見は感動的だったそうな。
著者はハマった。
その時の感動は生涯の研究テーマになった。

「ひゃあ、本を書くべーじゃ!」

って事になった。
これは特記されて然るべき問題だと言ってる。

「南アジアと東南アジアの一部地域で見られたヒンドゥー教とイスラム教の接触・並存という事実は、性格を異にする宗教とその文化の共存という課題、あるいは宗教と社会、宗教と政治の問題についての貴重な【歴史的実験】と呼んでもいいとさえ考えたのである」

おお〜〜っ!
ワクワクするべや・・・。