珍しくもない本の雑感89

 【不可触民と現代インド】(3)

  • 「アーリア人」

 カーストの成り立ちは古い。
紀元前1,500年頃に遡るらしい。
インド大陸に異民族が流入して来たのが発端。

「アーリア人」

金髪、碧眼、白色の放牧民族だったそうな。
彼らが先住民を征服した。
 んで、カースト制度を作りあげた。
これが【バラモン(ブラーミン))】を頂点とする悪名高い差別制度だった。
当初は例の4段階だったらしい。
最下位に、【シュードラ】という隷属階層を作った。

「てめえらは、上位3階層に奉仕する為に生かされてるんだっ!」

 後になって、更に下位の階層が出来た。

【不可触民】(アンタッチャブル

不浄とされる労働を押し付けられた。

「屍体処理、糞尿処理、ごみ集め、靴職人、獣の皮剥ぎ、竹細工、鍛冶職人・・・」

これらは世襲である。
何が不浄なんか、良くわかんにゃあけど・・・。

 カーストってコトバは外来語。
ポルトガル語の”カスタ(家柄・種族)”が語源とか。
ジモティは、別な言い方をしてるそうな。

「ジャーティ(世襲的職業)」

いんど全体で3,000種類っくりゃああるとか。
全て【バラモン】の作戦だった。
自分たちを神の使いとして存在化した。

「【バラモン】は宇宙から来た神の使いじゃっ!」

それって、「ガラモン」だべや・・・?
 更に”浄不浄”の観念を導入。

「自分ちを高めるより、周りを貶めた方が手っ取り早いじゃんっ!」

その通りっ!
んえ、触れるだけで穢れとされる階層が出来た。
ひでえモンである。
 結局、上位階層なんて1割強。
残りは全て下位カースト

「下位カーストなんてえのはニンゲンじゃにゃあっ!」

これが冒頭のひき逃げの話である。

「たら〜〜っ・・・」

背中を冷たいモンが・・・。