珍しくもない本の雑感88

 【国家の罠 −外務省のラスプーチンと呼ばれて−】(3)

  • 「ツーギョー」

 この本の中に良く登場する言葉。
通奏低音みてゃあな・・・。

「外交の世界に『通暁』している・・・」

「ツーギョー」っつうんだそうな。
著者は、この言葉をとっても重視してたらしい。

「外交の世界には『ツーギョー者』にしかわかんにゃあっ!
一般ピープルには理解出来にゃあっ!」

って言いたいらしい。
 解説の「川上弘芽」も言ってる。

「情報。官僚と政治家。検察。外交。
ものを書く、ということを職業とする者の中で、
わたしほど『通暁していない』人間は、
なかなかいないと思います。
自慢しても、いいくらいです」

「国会での『鈴木無念男』と共産党のやりとり、『辻元興味』の追求。
『通暁していない』わたしも、その時の国会中継には、
固唾をのんで見入ったものでした」

「なにしろ『通暁していない』第一人者のわたしなのですが、
まず、外交官が外国でいったい何をするのか、ということの一端を、
この本によってこまかく知ることができました」

 ・・・。

「ひゃあ、完全におちょくってるべや?」

  • カンリョー

 でも、解説の通り。

”外交官が外国でいったい何をするのか・・・”

これが、この事件の根底だべ。

「オレ達ゃ、日本の国益の為に働いてるんだっ!
その為にゃ、多少のイレギュラーは大目に見てもらわんと・・・」

これが「カンリョー・ウィルス・キャリア」の一般的感覚。
そして、どんどん舞い上がってく。

「オレ達ゃ、特別な事やってんだ!特権階級なんだ!
税金で、マンションや馬の1つくらい買ったってい〜じゃにゃあかっ!」

一般ピープルの感覚とはほど遠い。
 担当検察官も言ったそうな。

「これは、国策捜査なんだから、早く呑み込んじゃった方がいいよ。
あなたは悪かった。そう、運が悪かった・・・」

「カンリョー・ウィルス」に侵された醜い毒トカゲの『外務省』。
その尻尾として切られた「無念男」と著者・・・。

「あんまり、違和感はにゃあなあ・・・」