珍しくもない本の雑感88

 【国家の罠 −外務省のラスプーチンと呼ばれて−】(2)

 確かに大騒ぎだった。
「鈴木無念男」が逮捕された。
ロシア絡みと、北方領土絡みのスキャンダル。
って報道されてた。

「何だ、地元北海道を利用した極悪人じゃんっ!」

誰もが疑わない状況だった。
 風貌は田舎のおとっつあん。
又は、地方の不動産屋か、貸し金屋の社長。
ってな感じで落着きがにゃあ。
んで、口数も多い。
「田中マヒ子」とも死闘を繰り広げた。

「イメージ悪すぎ・・・」

 地元では人気者らしい。
「松山痴春」なんか、心酔してるそうな。
でも、この人気は内地では理解し難いかも・・・。

「個性が強い分、敵も多いんだべなあ・・・」

 著者は、この事件に巻き込まれた。
何だかんだ、500日以上も勾留されてたそうな。
検察官も明言する。

「これは国策捜査なんだから、万に一つも勝ち目はないよ!」

そりゃ、勝てにゃあべ・・・。

  • 克明

 この本の解説を「川上弘芽」が書いてる。

「いい本だと思いました。
いい本である理由のまず第一は、この本の『克明さ』によるものです」

いわく、かなりはしょって書いてあるはず。
なのに、目の前に出来事がくっきりと現われる・・・。
 かなり文章力があると思ったそうな。
確かに、そう思う。
すぎゃあっ!
ま、商売柄かも知んないけど・・・。

「世の中に、文才ってのはあるんだなあ〜」

って思う。
 いろいろ初めて知る事が多かった。
一番びっくりしたのは「キャリア」、「ノンキャリア」
何となくイメージでこの言葉を使ってた。
実はそーじゃにゃあっ!

「『キャリア』、『ノンキャリア』って、ちゃんと試験があったんだ!」

 知らんかった・・・。

    1. 外交官試験合格・・・「キャリア」
    2. 外務省専門職員試験合格・・・「ノンキャリア」

って事らしい。

「『カンリョー・ウィルス』に感染した、鼻持ちならないヤツが『キャリア』かと思ってた・・・」