珍しくもない本の雑感86
【敦煌】
- 半世紀
又、初モノに挑戦。
古典とまでは言えないけど、かなり古い。
昭和34年刊行とか。
半世紀前の作品ってこってある。
メタボオヤジもまだ、幼稚園にも行ってなかった・・・。
もちろん名前だけは知ってた。
「井上靖」
我が生まれ故郷の沼津には記念碑もあったりする。
でも、一度も読んだ事ぁなかった。
「敦煌」は映画にもなったらしい。
古本のカバーに古風な写真がくっ付いてた。
それにしても・・・。
”世の中にゃま〜だ読んでにゃあ作品が如何に多いこんか・・・。”
- 「歴史ロマン」
結論から言うと、すぎゃあ面白かった。
まさに「歴史ロマン」
久々にハマり込んで読んでしまった。
決して読みやすい本ではなかった。
でも、それを差っ引いても余りある面白さだった。
最初はメゲそうだった。
読み始めて、4ページで「注解」が21ヶ。
”わっかんにゃあよっ!”
その度に巻末を開いて確認する。
これはかなりうざいっ!
それも13世紀の中国の言葉ばっかし・・・。
「進士」、「開封」、「仁宗」、「太祖」、「太宗」、「真宗」、「勧学詩」・・・。
でも、その後は「注解」が激減。
結局、全250ページで「注解」は60ヶだった。
なあ〜んだ・・・。
おどかすんじゃにゃ〜よっ!
- 史実
「敦煌」は実在する。
そして、「鳴沙山千仏洞」も実在した。
何万巻にも及ぶ古来の仏典が隠されていた。
そしてこれらはことごとく持ち去られた。
大半は海外に流出。
これが史実。
これを物語りに仕立てたのが「敦煌」
歴史ロマンの大スペクタクルである。
恐らく史料を漁り、沢山の引き出しを作ったんだべ。
そして、あたかもその時代を生きてきたみたいに物語を描く。
この手法ってどっかで聞いたような・・・。
”あ!
「七生おばさん」だっ!”
各地の史料館に通って徹底的に調べる。
舞台となる土地には足を運ぶ。
そこで、やおらメジャーを取り出して道幅を測ったりする。
膨大な作業に裏打ちされた作品なんである。
共通点があるかも・・・。