帰国のこと【1/21】

  • サービス

 離陸後、間もなく機内サービス。
飲み物の注文を取りに来た。

「5ドルのまじいビールだしなあ・・・」

躊躇してたら、兄ちゃんが言う。

「出発が遅れちまったんで、お詫びに飲み物1杯サービスしやすぜ」

 それなら、話は別。
「ゆかりさん」と3人でビールをオーダー。
今度は「アサヒ・スーパードリャア」は止めた。
又、不味いとガッカリする。
出て来たのは「ハイネケン」だった。

「こっちの方が、諦めがついていいよな・・・」

意味わかんにゃあ・・・。
 当然、機内食が出る。
いつもの事ながら、帰国便の機内食は気の毒。
とっても印象が薄い。
もう、気持ちが入ってにゃあ。
何を喰っても一緒なんである。

「ひゃあ、早く日本のメシが喰いてゃあなあ〜」

っとか、言いながら喰ってる。
気の毒である・・・。

  • フリーズ

 何故か、寒かった。
一番前でスースーしてる。
って事だけじゃにゃあと思う。
特に、メタボオヤジだけが異常に寒かった。
嫁さんも、「ゆかりさん」も平気。

「ちょっと寒いけど、ブランケット掛ければ大丈夫よ・・・」

んなあんて、程度。
 おかぴい。

「何だか、ちょっと異常に寒みぃで・・・」

ブランケットを6枚かき集めて来た。
棚の荷物から、ダウンジャケットを出した。
足の先からぐるぐる巻きのミイラ状態。
それでも、震えが止まんにゃあ。
 これは、おかぴい。

「ひゃあ、風邪でもひいたかなあ・・・?
熱の上がり始めかも知んにゃあなあ・・・」

兄ちゃんに赤ワインを頼んだ。
ついでに、嫁さんも「ゆかりさん」も・・・。
兄ちゃんが持って来た。

「内緒でがんすが、これもサービスでよござんす」

ラッキーっ!

「あいつ、いいヤツだな・・・」