帰国のこと【1/19】

  • 計量

 これからが大変。
帰国の為に、荷造りしなきゃなんない。
嫁さんは先にシャワーを浴びる。
必要な衣類を確定してもらう。

「ひゃあ、あとはエアコン抱え込んでてくいよ・・・」

んでも、いくらか温度は下がった気がする。
 「ゆかりさん」から説明があった。
ここんち路線は、バゲージの重量にとってもうるさいとか・・・。

「必ず1つの荷物を23kg以下に抑えて下さい。
シビアに超過料金を取られます。
このホテルは廊下にヘルスメーターが置いてありますので利用して下さい」

至れり尽くせりで・・・。
 出国の時は気にしてなかった。
ま、出掛ける時は大した荷物じゃにゃあ。
帰りは何だかんだ、膨れ上がってる。
それでも、我が家は少にゃあ方だけんど・・・。

「『女将』たちなんか、とんでもない事になってんじゃない?」

いや、意外と・・・。

「『サトーのごはん」の分が空いたから、大丈夫じゃにゃあ・・・?」

  • パッキング

 パッキング開始。
自慢じゃにゃあけど、手際がいい。
すき間なく、きっちり収まる。

「『バッグ・パッカー』っと呼んでもりゃあてゃあ・・・」

 慣れである。
数重ねて、要領を覚えた。
不要なモンは、ここでごっそり捨ててく。
何となく集まってくるパンフ、ミニコミ誌・・・。
毎度、嫁さんに言われる。

「最初っから貰って来なきゃいいのに・・・」

ま、儀式みてゃあなモンだに・・・。
 慣れっつーのは恐ろしい。
嫁さんもふつーに訊ねてくる。

「ねえねえ、これで何キロっくらいある?」

恐ろしいのは、メタボオヤジの「ウデバカリ」
スーツケースの重さはだいたいわかる。
 部屋の中で持ち上げてみる。

「こりゃ、片っぽ23kgちょっと超えてるなあ・・・」

廊下に持ち出して、ヘルスメーターに・・・。

”23.6kg”・・・。

もう1つは22kgに届かにゃあ。
 自信が確信に替わる。
仕切り直し。
びみょーな詰め替えを敢行。

”22.8kgっ!”

もう1つも”22.2kg”・・・。

「おお〜〜〜っ!
ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ・・・」