チチカカ湖観光のこと【1/16】

　時間はたっぷり。
さすがにみんな持て余してる。
買い物が終わったら、もうやる事ぁにゃあ。
でも、モノは考えようである。
縛られる事は何もにゃあ。
何も無い事の幸せ。
至福の時間じゃあ〜りまへんか・・・。

”滅多に出来まへんでえ〜。こんなゼータクな時間の過ごし方・・・。”

　天気はピーカン。
空気は薄いけど、空は抜けるように青い。
湖面を撫でる風は爽やか。
気温は２０℃。
暑過ぎず、寒過ぎず・・・。
相変わらず音の無い世界。
「トトラ」の床は、フカフカと優しい。

「思わず、寝っ転がりたくなるじゃあ〜りまへんか・・・」

　湖も空に負けないくらい真っ青。
水は思いっきり透き通ってる。
小魚が泳ぐ。
ヒトカゲが見えると寄って来たりする。
警戒心のカケラも見えにゃあ。
ここだけは、水音がちゃぷちゃぷ・・・。
ぼ〜〜〜っと見ちゃう。

「ひゃあ、飽きにゃあモンだなあ・・・」

　至福の時間も終わりが・・・。
島を移動するという。
【バルサ】で送ってくれるそうな。
行く先は隣の島である。

「隣の『トトラ』か・・・」

　何ってったって「トトラ」で造った舟。
乗り込むにも結構不安定。
前後左右にバランスを取らないと危にゃあ。
何とか、全員乗り込んだ。
そこへ、島中の住民が集まって来た。
総出でお見送りだった。
　バンマスが合図した。
全員で歌が始まった。

「え？」

日本の唱歌だった。
もちろん、歌詞は怪しい。
でも聞いたまんま、覚えたんだべな・・・。
次から次へと５曲っくらい歌ってくれた。
　そこへ、子ども達が絵を持って来た。
例のヤツだ！
「ゆかりさん」が話してくれた・・・。
もう舟は岸を離れてる。

「何だよ。遅っせ〜よっ！もっと早く持って来れば良かったのにぃ〜」