チチカカ湖観光のこと【1/16】

  • 佳境

 おばさん、頑張る。

「7 doller!」

いんや、3ドルにしてちょっ!

「5 doller!」

だめ!3ドル。
 おばさん、作戦を変えてきた。
別なデザインの帽子を出してきた。

「これなら、3ドルでもいいよ」

って事らしい。
ま、如何にも土産用の量産品っぽい。

「No、no、no・・・わしゃ、こっちの帽子がええんじゃ!」

それは、どーしても5ドルだという。
 佳境である。
いよいよ折り合いをつける頃合か・・・。

「じゃ、4ドルで・・・?」

ここで、珍客登場。
絶妙のタイミングで・・・。

  • 割り込み

 珍客と言えば・・・。

「それ、何ぼですのん?」

「女将」・・・。
「女将」とその連れだった。
せっかく、交渉が佳境に入ってたのに・・・。
 ぶち壊し。

「10ドルって言ってたんで、値切ってたんですよ」

ずかずかと割り込んできた。

「そら、高いわ!まずは5ドルからや・・・。なあ!おばはん!5ドルにしい!」

ジモティのおばさんも無視って訳にゃいかにゃあ。
こっちを気にしながら応じてる。
 その間に、そそくさと退避。
でも、おばさん諦めてない。
未練たらたらで、ちらちらとこっちを見てた。

「ま、ひと回りして来るべ〜じゃ」

深呼吸しながら、ゆっくり歩く。
雄大な景色を眺めながら・・・。
この世のモノとは思えにゃあ。

「こんな景色、生きてるうちに2度と観る事ぁにゃあべなあ・・・」