ヒューストン空港(IAH)のこと【1/11】

  • 入国審査

 噂には聞いてた。
一度味わうと、みんな思うらしい。

”しばらくアメリカなんかには行きたくにゃあっ!”

その悪評にも聞く耳持たず。
相変わらず独立独歩、唯我独尊の国である。
 「ゆかり」さんがアナウンス。

「相当、厳しいです。何かあるとすぐ別室に引っ張られます」

ヤだなあ・・・。
何がヤだって、己の緊張感の無さ。
頭の中は完全に休みモード。
しかもヒコーキの中で酒飲んで、寝起きで・・・。
キレないようにしにゃあと・・・。

  • 出入国カード

 機内で配給されなかった方もいる。

「入国審査前にカードが置いてありますので、ここで書きましょう」

「ゆかり」さんの指導の下、記入する。
一応、念のためにみんながカードの確認を頼む。
我々も一応、見てもらった。

「あらっ?これは違いますねえ・・・」

へ?

「これはVISAの必要な方用ですんで、VISA不要のカードに書き直した方がいいです」

っえ〜〜〜っ?

「どうせ、まだまだ時間かかりますから、ゆっくり書いて下さい・・・」

 書き直しである。
ヒコーキの中の仕事は徒労だった。
ぶちぶち言いながら書いた。
兵庫から来た団塊2人連れは更に手間がかかる。
1項目ずつ教えを乞う。
何でも「ゆかり」さん頼り。
自分でやろうって気配が見えない。
同志社英文科は完全にパニクってる。

”このヒト、大丈夫だんべか・・・?”

 群馬の農家の新婚さんも苦戦。
こっちはホントにわかんにゃあだんべ。
新婚旅行でペルーってえのもなかなかチャレンジャー。
聞けば、乗り物酔いするタチという。

”んで、20時間のヒコーキ旅かい・・・?”

しかも厳戒のアメリカ経由。
旅行客にも決して優しくにゃあ。
でも、きっといい想い出にはなるべな・・・。