珍しくもない本の雑感85

 【インカ帝国

 もうアナクロかも知れない。

イワナミへのこだわり・・・。”

岩波新書を読む時は背筋が伸びる。
ちょっとした心構えが必要だった。
昔の話だけど・・・。
 岩波新書が再出発したのは1949年らしい。
不幸な戦争が終わって4年・・・。
それまでの言論抑圧から解放され、一気にはじけた。
希望と勇気に溢れてたらしい。
本の最後に、この叢書の課題が記されてる。

  1. 世界の民主的文化の伝統を継承し、科学的にしてかつ批判的な精神を鍛えあげること。
  2. 封建的文化のくびきを投げ捨てるとともに、日本の進歩的文化遺産を蘇えらせて国民的誇りを取り戻すこと。
  3. 在来の独善的装飾的教養を洗いおとし、民衆の生活と結びついた新鮮な文化を建設すること。

”気をつけ〜っ!”

  • 100円

 いつもの100円コーナー。
タイムリーな本が目に留まった。

インカ帝国】 -砂漠と高山の文明-
        泉靖一著

初版は昭和34年。
手に取った本は第11版で、昭和42年発行。

”古っりぃ〜っ!”

 でも、やっぱ読みたいねえ・・・。
せっかく足を運ぶんなら、その歴史っくらい知っときたい・・・。
著者は1915年生まれ。
これを記した若い頃は、東大教養学部の教授だったらしい。
今はどーしてる事やら・・・?

 結論から言うと、面白かった。
半世紀も昔に書かれたという気がしない。
BC8,000年から始まって、「アンデス」の歴史が綴られてる。
無土器農耕時代からプレインカ時代。
そしてスペインの侵略・・・。
 スペインは「インカ帝国」を滅ぼした。
素朴なインディオを虐殺して、金の装飾品を略奪。
残虐行為の限りを尽くしたらしい。

フランシスコ・ピサロ」のインカ帝国征服・・・ヨーロッパ人の行った最大の罪悪

著者はこう表現していた。
 考えてみると、スペインでも聞いた言葉じゃん。

コンキスタドール」(征服)

イスラム教徒に地中海沿岸が征服された。
でも、その後キリスト教徒が奪い返した。
レコンキスタ」っとか言ってた。
アンデスインディオ達には「レコンキスタ」の機会は無かったんだべな・・・。

  • 「ナスカ文明」

 ペルーは遺跡の宝庫。

【砂漠と高山の文明】

まさにその通りなんだべな・・・。
まさに両極端。
高山地帯は豊かな水と緑に溢れてる。
 「ナスカ」は雨がほとんど降らない砂漠地帯。
不毛の大地。
遺跡はそっくりそのまま残る。
彩色土器の色はまったく褪せていないらしい。
出土した土器や装飾品は、今でも高く取引されてるそうな。
 んで、盗掘が後を絶たなかったそうな。
盗掘者を現地語で「ワッケーロ」と言うそうな。

”ジジイの盗掘者でも「ワッケ〜ロ」っ(^^)”

だんだん楽しみになってきたどっ!