帰国のこと

  • 反省会2

 隣の乗客も妙齢のご夫婦だった。
でも、要介護軍団の中では比較的若い方かも・・・。
不仕付けな申し出を平然と受けてくれた。

「ああ、ありますよ〜。ど〜ぞ、ど〜ぞ・・・」

ふつーのヒトで良かった・・・。
 一応、ポーズする。

「タダじゃナンですから、両替していただければ・・・」

っと5円玉なんか出してみたり・・・。

「まさか!そんな必要ありませんよ・・・」

っと、ふつーに笑ってくれた。
有り難てえこって・・・。
 その内、隣のご夫婦がゴソゴソ・・・。
荷物の中からビールを取り出した。
しかも”500ml缶”じゃんっ!
どうやら、空港の液体規制を潜り抜けたらしい。
あの金属ニンゲンどもめ!
X線なんか、ろくすっぽ見ちゃあいないんだべな・・・。

「しゅかっ!」

お隣も、反省会開始。

  • 海老鯛

 当方はお代わり状態。
どうせ、あとはメシ喰って寝るだけである。
ふと、嫁さんがひざを叩いた。

「柿ピー、残ってなかったっけ?」

なるへっ!
 お隣にプレゼント。

「良かったら、どーぞっ!」

お隣、狂喜乱舞っ!

「いやあ〜、有難うございます。何だか海老で鯛釣っちゃったなあ〜。はっはっは・・・」

何てふつーなんだべ・・・。
旅の締めくくりに思わぬ収穫。
 世の中、まだまだ捨てたモンじゃない。
ふつーに接したら、ふつーに響くヒトもいるじゃん。
ヒトの機微なんて、こんなモンなんだけどなあ・・・。
”機微”なんてコトバ、死語かな・・・。

”如何に、ふつーのヒトが少なくなった事か・・・!”

  • 「ユーラシア」

 考えてみると面白い。
「ユーラシア」ってコトバ。
アジアとヨーロッパのアイノコ・・・。
確かに地理的にはその通り。
でも、行ってみるといっぱい違った顔が見えた。
「ユーラシア」ってちょっとカッコ良すぎるかも・・・。
 ロシアは「中央アジア」ってのが正しいイメージかも。
やっぱ、アジアっぽい。
南部は中近東の匂いもする。
テンパー・キャラとか、野蛮さもたっぷり・・・。
ヨーロッパとはかなり異質。
サンクトペテルブルク」だけが例外なんだべな。
ここはすぎゃあっ!
どんどん変わって行くんだべ。
 でも、ヒトの本質は変わらないべな。

「ニチェヴォっ!」(急いだって、なるようにしかならんべさ)

これに尽きる。
それでこそ「ロシア」なんだべや・・・。

「あ〜、いい旅だった!」