出国手続きのこと
- リニューアル
何となく薄暗いロビー。
どこもかしこもタバコ臭い。
トイレは古くて、汚くて、少ない。
もちろんスタッフはサイアク。
「シェレメチェヴォ空港」の印象はこんな感じ・・・。
加えて、この到着ロビー。
廃品置き場か、何かとしか思えない。
”売店の廃墟が余計哀しい・・・。”
きっと、空港ターミナルをリニューアルでもしてるんだべな・・・。
っとは思っても釈然としない。
”新しいの、造ってから廃墟にしろよっ!”
しばらくしてバスが到着。
国際線用ターミナルに移動する。
これが又、遠い。
空港滑走路の大外回り。
20分はゆうにかかる。
暑いし、揺れるし、要介護軍団には辛かろう・・・。
「空港のレイアウトとか、シャトルとか、ちったあ考えないんだべか?」
- 「カンペー」
国際線ターミナルに到着。
でも、ここでも又隔離。
どうも一般人と違うルートばっかり移動する。
裏通路みたいなところを散々歩く。
着いたところが、出国手続きバース。
「人知れず、出国して去れってか・・・?」
何故か、この出国手続きバース手前で待機。
何で待たされてるのか、良くわかんない。
ベンチも何もない、通路みたいなバースである。
要介護軍団もだんだん疲れてきた。
日本人なんか、客とは思ってないんだべな。
「何か、強制収容所に移送される気分だべや・・・」
でも、唯一の救いがあった。
この出国審査バースに「おもろ〜」のおっさんがいた。
やたらにこやかで愛想がいい。
「コニチワっ!」
「コチラヘ、ドゾっ!」
カタコトの日本語なんか使ったりする。
顔を見ると、何となく「カンペー」ちゃんに似てる。
おおよそ、ロシア人らしくない。
一同、和んだ。
要介護軍団にも笑顔が戻った。
笑いを取ると「カンペー」ちゃん、ますますハッスル。
「コニチワっ!」
「アリガトっ!」
救世主、現る・・・。
いやあ〜、びっくらした。
金属ニンゲンの国、ロシアとは思えない。
日本人にスカウトしたいっくらい・・・。
「久美」さんもびっくら。
「私も、あんな愛想のいいロシア人って初めて見ました・・・」
「カンペー」ちゃんに国民栄誉賞っ!