「お弁当」のこと
- 蜂蜜
”蜂蜜の量り売り”があった。
できゃあ容器に、蜂蜜がいっぱい詰まってる。
いろんな種類がある。
花の種類によって、味も香りも違う。
フツーは味見なんか出来ない。
ほとんどビン入り。
味も香りも封印されてる。
そこへ行くとここは面白い。
”蜂蜜の量り売り”
できゃあおばはんが盛んに味見しろっと誘う。
この味見が又、豪快。
手の甲に蜂蜜をつけてくれる。
それが、半端な量じゃない。
間違いなく、食パン1枚は喰える。
嫁さんがもらった。
「あ、美味しいかもっ!ワイルドな感じで味が濃い〜いねっ!」
おばはん、ガンガン攻めて来る。
次々と味見しろっと蜂蜜を出して来る。
無理矢理、いろんな花の種類の味比べをさせられる。
ひと通り舐めると、又最初のヤツに戻ってくる。
慌てて”もういい”っと断わる。
”じゃ、どれにするんだ”っと攻め手を替えてくる。
すぎゃあ熱心である・・・。
- クロージング
術中にハマってる。
こんだけ、攻められるとねえ・・・。
「ま、1つ買ってってもいっかあ〜」
ってんで、クロージングの方向へ・・・。
その時「久美」さんの声が聞こえた。
誰かにアドバイスしてる。
「蜂蜜美味しいですよお〜。ただ、容器が密封されてないので持って帰る時に気をつけて下さいね〜」
ん?
容器・・・?
見ると、容器はビンじゃない。
透明なプラ容器で、フタがあるだけ。
確かに密封容器じゃなさそう・・・。
ん〜〜〜・・・。
びみょー・・・。
しかも、値段は日本と大差ない・・・。
嫁さん、決心した。
「Thank you!But I'm sorry!」
ぴゅ〜っと逃げて来た。
おばはん、唖然としてる。
何か、申し訳ないなあ・・・。
日本人嫌いのロシア人を1人作ったんじゃないべか・・・。
- 「お弁当」
ここにはデリみたいな店が無かった。
パンとか、サンドウィッチみたいな軽食がにゃあ・・・。
要介護軍団も不安になった。
「何か、お昼になるもの買わなきゃねえ・・・」
さすが「マリア」さん。
「この先にパン屋さんがありま〜す。そこでパンを買って、お昼にして下さ〜い」
良く出来た娘である・・・。