「Санкт Петербург」(サンクトペテルブルク)のことⅡ

  • 雷雨

 モスクワから追っかけて来た。
空港の外は土っ砂降り。
「久美」さんが困惑の表情・・・。
到着ロビーでしばし待機。
何だか訳がわかんない。
 やっと訳がわかった。

「済みません。ここはバスが横付け出来ないんです。バスまで10分ほど歩いて頂けますか?」

「おいっ!マジかよっ!」

 慌てて雨よけの支度をした。
カサはあっても嫁さんしか使えない。
メタボオヤジはヤッケと、ヘアキャップで完全武装。
でも、さすがにクツまではなあ・・・。

  • 軍団

 要介護軍団もちょっと青ざめた。
でも、皆さん元気だった。
火事場のクソぢからか・・・。

「B29の焼夷弾にくらべりゃ、こんなモン屁みてえなモンだっ!」

って事なんだべな・・・。
 雷雨もナンのその・・・。
ひとりの落伍者も遭難者も出なかった。

「まあま、クツん中までずぶ濡れだわ。あっはっはあ〜」

さすが、度胸が座ってるというか、動じない・・・。

”何だ、その気になりゃ結構やるじゃんっ!”

要はやる気が無いって事か・・・。”

  • ソナエ

 我々も動じない。
そりゃ、ソナエが違うから・・・。

”ソナエあれば、お正月っ!”

 でも、これは結構きつかった。
時間も時間だし・・・。
土砂降りの中、真夜中の行進。
しかも、重たいスーツケースを2つ引きずって・・・。
やれやれ・・・。
 嫁さんは又、腱鞘炎あがり。
こんなところで無理して、再発でもした日にゃあ〜たっ!

”クニに帰ってから、メシの支度が出来にゃあっ!”

そう思えばクソぢからも涌くべ〜じゃ・・・。