モスクワの最後の晩餐のことⅡ

 モスクワに近づいた。
だんだん雷雨がおさまって来た。
ところどころ、晴れ間が出たりしてる。
嫁さんが叫んだ。

「わあ〜、すごい虹っ!」

 バスの中が騒然となった。
モスクワのビルの背後に3重の虹が出ていた。
それも見事に半円形。
まったく切れずに、しかも3重に・・・。
ハワイでもこんなに優等生の虹は見た事がないべ・・・。
 久々にこんなにくっきりとした虹を見た。
異常気象なんだべなあ・・・。
ロシアの虹は几帳面・・・。

  • 晩餐

 行いが良かった。
運が良かった。
バスは19:00過ぎにはレストランへ。
余裕じゃん。
これならゆっくりモスクワ最後の晩餐が出来る。
 レストランは立派だった。
天井はとてつもなく高くって、ホールみたい。
どっかのホテルみたいな造りだった。
座席も高級感があって、落ち着いたイスとテーブルだった。

「こんな立派なレストラン、パスしたら泣いちゃうよな・・・」

ま、何とか間に合った。

  • ご案内

 恒例、「久美」さんのご案内。
飲み物の案内である。

「予想以上に順調に来ちゃいましたので、たっぷり時間があります。ここから空港までは5分ですから、どうぞゆっくりお食事なさって下さい」

そりゃそれで、又大変・・・。
 学習機能をフルに使って座席確保。
今夜のご同席は、実直そうなリタイア組ご夫婦。
先方から見れば、我々なんかハナタレ小僧。
なのに、まったく外さない。
ヒトを逸らさないお見本みたいな・・・。
 何でも、チワワを飼ってるそうな。
いつでもワンコネタは有り難い。
絶対に話が尽きない。
お互いにケータイを持ち出して見せっこして・・・。
罪がない。