「Суздаль」（スーズダリ）観光のこと

キタヒカリ

　こんな小っちぇえ街に寺院が５０もある。
それも大半が徒歩で周れる。
観光はしやすい街だった。
気に入らないのはテンキっ！
今ひとつ光が足りない。
せっかくの景色なのに・・・。

”光をっ！もっと光をっ！”

　聞こえたらしい。

”ウスビガカゲロウ・・・。”

だんだん北の光が蘇ってきた。
うすボケた景色が、急に総天然色に・・・。
空気が輝きだす・・・。
ヨーロッパの光の色だっ！

「やっぱ、こーでなくっちゃっ！」

「ロジェストヴェンスキー聖堂」

　正直言って、名前は覚えらんない。
ここいら辺は、似たような名前の寺院ばっかし。

「ロジェストヴェンスキー聖堂」

「リズパロジェンスキー修道院」

「スパソ・プレオブラジェンスキー教会」

「ヴラゴヴェシェンスキー門上教会」

勘弁しちくり・・・。
　正直言って、どれがどれだかわかんない。
寺院同士が隣り合ったりしてる。
歩ってる内に、いつの間にか違う寺院に入ったりしてる。

「ま、この際、名前はどーでもいっかあ〜！」

野の花

　基本的に田舎。
静かでのどかな景色。
中世の面影の残る寺院の数々。
古いレンガとしっくいの白が野原に映える。
何となくのんびりしちゃう・・・。
　野の花もいっぱい。
キキョウやら、ヤナギランやら、タンペペやら・・・。
一面、野の花の饗宴。
この素朴さ。
作られてない美しさは何とも言えない。
　ふと、嫁さんがつぶやいた。

「『マツクイムシ』がとってもキレイねえ〜・・・」

「マツクイムシ」・・・？