旅のメンツのこと

  • 親子

 要介護軍団はいごかない。
買い物に夢中で、周りが見えてない。
大勢のニンゲンが待ってる事なんか、眼中にない・・・。
どこに行っても、このパターン。
ま、じきに慣れちゃったけど・・・。
 たまたま、近所に「マトリョーシカ」を買ったヒトがいた。
娘さんへのお土産とか。

「ここのはキレイで良かったですね」
「そーなんです。ちょっと造りが違ってて、娘のお土産にいいと思って・・・」
「いいですねえ〜。娘さんは小学生くらい?」
「いえ、22歳です」
「へっ?」

 は、びっくらした・・・。
どー見ても30歳台に見えちゃう。
要介護軍団の中でも異色の年齢だと思ってた。
って事は、我々とあんまり違わないってか・・・。
ヒトは見かけに・・・。

  • 親子2

 更にびっくらした。
この方、4人連れで参加してた。
あとの3人はどー見ても70歳過ぎてる。

「どーゆー関係なんだべな・・・?」

訊いてみた。
老人3人は、実母と儀父母だった。
 何でも、ご主人は1人でカリブに出かけたそうな。
子ども達はお留守番。
んで、両家の親を一手に背負って出掛けて来たとか。
老人3人は120%頼り切ってる。
 彼女はまさにヘルパー状態。
実に甲斐甲斐しい・・・。

”とっても真似出来ないなあ・・・。”

  • バーチャル

 他にも要介護軍団に属さないメンツがいた。
単に年齢的に属さないだけだけど・・・。
女性の2人連れだった。
見たところ、40歳台半ばっくらい。
要介護軍団まではもうひと息、間がある。
 この2人連れが独特。
周りを一切見ようとしない。
もちろん、周囲と会話なんかしない。
年寄りを押しのけて、とっととバスに乗り込む。
一番後ろの席を2人で占領して、誰も近寄らせない。
 最近の都会人の特技なんだべな。

「そこに何も無かった事にしよう。見なかった事にしよう」

ってなアレっ!。
バーチャルの世界で生きて行ける・・・。
きっとテレビゲームの世界か何かで育ったんだべな。