「クレムリン」観光のことⅤ

  • 「武器庫」

 ここは名前が良くない。
名前だけ聞くと、あんまり興味が涌かなかった。
どうせ、昔っからのテッポだの大砲だのが並んでるんだべ・・・。
でも、ここが「クレムリン」最大の目玉だという。
実際、入館は予約制で行列が出来てた。
 入ってみてわかった。
ぜんぜんイメージ違いだった。
展示物はなかなか見応えがある。
歴代皇帝の王冠や宝石などの収集品。
ピョートル大帝の長靴」とか「エカテリーナ2世の金馬車」とか・・・。

「どー見ても「宝物殿」とか「博物館」だんべや」

  • 同業者

 道中、他のグループに何度か出くわす。
説明のポイントになる展示物はいくつか決まってる。
その展示物に他グループが張り付いてれば、他を先に周る。
お互いに気をつけてれば上手く行く。
 何故か、何度もバッティングするグループがあった。
毛唐のご一行だった。
結構なばーさんが引き連れてる。
何度かぶつかってる内に、ばーさんがキレた。

「○×△=■○▽×◎っ!!!ギャアア〜っ!!!」

ガイドのおっさんも苦笑い・・・。

  • ご法度

 要介護軍団はここでも大活躍。
【フラッシュ禁止】なんて何のそのっ!

「ピカッ!ピカッ!」

彼らには恐いモンなんか1つもない。
自分のカメラが光ってる事に気づいてない風でもある・・・。
 馬車に触ろうとして手を出す。
たちまち警報が鳴り響いて、係員がふっ飛んでくる。
ガイドのおっさんも大変である。

「あら、ちゃんと警報が鳴るようになってんのね。もう一度やってみようか?」

おいっ!