帰国のこと

  • ケータイ

 観光も終わった。
ヤマトンチュは国に帰るべ。
バスは一路、空港へ・・・。
ガイドのねーちゃんが方言で挨拶を始めた。

「にーふぁいゆ〜」(ありがとう)

 その時、でっけえケータイの音が・・・。
またまた同じオヤジだった。
どっかの成金社長って雰囲気で、傲慢この上ない。
道中ず〜っとこの繰り返し。

「お〜〜っ!どうもどうも、今運転中だからさ、後で電話します・・・」

「何い!あいつはクビだっ!そー言っとけっ!」

 きっと、みんなが思ってる。

”救いようがないバカだあね・・・”

  • 乳飲子

 もう1組、うざいのがいた。
ホンットの乳飲子を連れた若い夫婦。
ベビーカーとともに大荷物で参加。
バスの乗り降りだけでも容易じゃない。
もう、それだけで不思議・・・。
 おまけに親子3人で風邪引いてた。
親は熱があるらしくて、いつもぐったりしてる。
メシも喰いたかねえって雰囲気。
当然、子どもはぐずる。
いつも観光にも行かずバスの中で寝てる・・・。
 周りもびみょー。
風邪引いてるってんで、気の毒ではある。
でも、きっとみんなが思ってる。

”そんなに無理してツアーに参加しなくたって・・・”

”このヒトビトは、何が楽しいんだべ・・・?”

 千田光男じゃない。
石垣空港から那覇っまでは順調にフライト。
土砂降りだったけど、もう関係ねえっ!
八重山諸島以外は全国的にピーカンだったらしい。
よりによって・・・。
 ここのパイロットは運転が上手そうである。
何せ、シマの飛行場は滑走路が短いんだそうな。
絶対にオーバーランとか出来ない。
多少、急ブレーキをかけても何とか収めなきゃいけないとか・・・。
かえってその方が事故とかは起きないんだべな・・・。
 乗り継ぎ便まで、ちょっと時間がある。
そりゃ、やるこたあ1つ。

「練習するっきゃねえべやっ!」

早速、缶ビールを仕入れて来る。
待合室の一角を占領。
バッグの上につまみを並べて宴会開始。

「っかあ〜〜っ!ちっくしょ〜〜っ!」

どこに行ってもやってる事ぁ一緒じゃんか!