由布島のこと
- 水牛車
八重山旅行のパンフで良く観る景色。
海の中の水牛車。
いつも想像を巡らせてた。
”きっと珊瑚礁の浅瀬を歩ってんだべなあ・・・。
水牛さんもラクじゃね〜なあ・・・。”
あのパンフの場所に来た。
由布島である。
西表島の沖合い400m。
ってゆ〜かあ、干潮時にはクルマで行けるそうな。
ちゃんと道路が通ってる。
クルマで行ったら1分もかかんない。
”そこを水牛車に揺られてのんびりと渡るとこに意味があるんだべやっ!”
- アスリート
海岸に4〜5台の水牛車がいた。
頼めばいつでも行ってくれるっつう訳じゃない。
ちゃんと「運行時刻表」がある。
30分ごとに一斉に出掛けるんである。
100名弱の団体さんが一斉に乗り込んだ。
水牛にも個体差がある。
まさに牛歩の水牛もいれば、イノシシっぽいヤツもいる。
我々が乗ったヤツはアスリート系だった。
すごい勢いでぐいぐい進んで、他の追随を許さない。
あっという間に由布島についちゃった。
他の水牛車はの〜んびりと海を渡る。
御者のおっさんが、例の三線なんか弾いて島唄なんか歌いながら・・・。
「あれえ〜、あっちは唄なんか歌ってるよ・・・」
「あっちの水牛車の方が良かったじゃんっ!」
我が水牛車のオヤジは涼しい顔。
とっとと休憩しに行っちゃった・・・。
- 植物園
由布島では結構の〜んびりした。
何故か、2時間っくらいフリータイムだった。
島にはレストラン、土産物屋と立派な植物園があった。
【亜・熱・帯・植・物・楽・園 由布島!】
これがここのウリだった。
島の周囲は2kmっくらい。
20種類以上のヤシ類をはじめ、亜熱帯植物がいっぱい。
そりゃ、それで結構楽しめる。
幸い、雨にも降られずの〜んびり散策出来た。
っとは言え、いくら何でも2時間は多いべ。
の〜んびりと島を一周したけど、まだ時間がある。
「しゃあんめ。練習でもすんべ!」
- アゴ
レストランの一角にドリンクコーナーがあった。
いろんな飲み物が値段付きで並べてある。
駅のKIOSKっぽい雰囲気である。
水牛っぽい風体のおばはんがひとり・・・。
「すみません。生ビールなんかないですかあ?」
水牛はちょっとだけ首を動かした。
正確にはアゴを動かした。
そのアゴの先には、缶ビールが3種類ほど並んでる。
「アサヒスーパードリャア」と「オリオンビール」と「地ビール」・・・。
要するに”缶ビールっきゃねえよっ!”ってか・・・?
思わず顔を見合わせながらビールを選ぶ。
「え〜っと、じゃ『スーパードライ』と『オリオン』で・・・」
何だか、どぎまぎしちゃったり何かして・・・。
後から笑いがこみ上げて来た。
”てんめえ〜っ!いくら水牛でも、アゴはね〜べやっ!”