西表島のことⅣ

  • 「高那」

 バスは海岸線を北に向かう。
島の東北の端に「高那」とかいう場所があった。
手付かずの海岸がず〜〜っと続く。
ふと、一軒のレストランが現われた。
「レストラン高那」
そのまんまじゃん・・・。
 今日の昼メシはここだという。
どう見渡しても、周りには何も無い。
ホンットの一軒家って雰囲気じゃん。

”ひょっとして、メシを喰う為だけにここまで来たって事・・・?”

  • ビール

 100人近い団体が席についた。
そら、壮観である。
ま、まずはビールだんべっ!
ねーちゃんが几帳面に端っこから注文を取り始めた。
ねーちゃんは1人・・・。
 その時、突如オーナーらしきおっさんが・・・。

「ようこそ、西表島にいらっしゃいました。せっかくですので、琉球会席のお料理の説明をさせていただきます・・・」

オーナーがしゃべってるんである。
ねーちゃん、注文取りなんかしてられないべな・・・。

 しゃーない・・・。
そんなに待っちゃいらんねーよ・・・。
カイシャの食堂のノリでメシに専念する事になった。
結局、ビールは2〜3人に届いたのみ・・・。
商売っ気ないんだべな・・・。
 料理は上品だった。
重箱弁当みたいな雰囲気でちょっとずつ味見出来る。

  1. 焼き味噌
  2. パパイヤの漬物
  3. グルクン(昨夜と同じ魚だ)の南蛮漬け
  4. ラフテー(豚角煮)
  5. ゴーヤチャンプール
  6. 意味不明な煮物
  7. 八重山そば
  8. 古代米

う〜〜〜〜ん、びみょー・・・。
ビールも飲まずに喰うと、更にびみょー・・・。

  • 土産物

 レストランの一角は土産物コーナー。
今、喰ったモンをここで売ってますよ〜って趣向である。
従って、説明にも熱が入る訳だ・・・。

「この焼き味噌は、当店のオリジナルで・・・」

 でも、やっぱ、びみょー・・・。
この説明の為にビールは捨てた訳だ。
フツーはアルコールの方にチカラ入れるけどなあ・・・。
この説明で売れる商品より、ビールの方がぜってえ儲かると思うけどなあ・・・。
どうしてもオリジナル商品を売りたかったんだべな・・・。
それだけ”純粋”なんだべな・・・。