竹富島のことⅢ

  • 「カビラちゃん」

 水牛車のガイドも楽じゃない。
何ってったって水牛である。
狭い部落の道を上手に歩くように躾けなきゃなんない。
これが見事に出来るようになってる。
 でも、シモの躾けは無理だそうな。

”出モノ、腫れモノ、ところ嫌わず・・・。”

観光途中で遠慮なくかます。
その度にガイドのお姉ちゃんがクルマから降りて、スコップを振るう。
それでも作業時間はたっぷり。
さすが、ウシである・・・。

 我々の乗ったクルマの水牛は「カビラちゃん」
西表島で農耕用に使われていたのを譲り受けたそうな。
メスである。
後続のクルマは「カイジくん」
オスだった。
 「カビラちゃん」が必ず前を歩く。
後続の「カイジくん」は脇目も振らず突進する。
突進しても”牛歩”だけど・・・。
この構図は不変だそうな。

”ニンゲンも一緒か・・・。”

 ふと、「カビラちゃん」が立ち止まった。
っかと思うと、ジョロジョロとオシッコし始めた。
さすがにオシッコまでは拾い集めないらしい。
用が済むと、又歩き始めた。
 そこへ”牛歩”で突進して来た「カイジくん」
「カビラちゃん」のオシッコのところで立ち止まった。
っかと思うと、やおらオシッコを舐め始めた。

「ぶひひひひ〜〜〜〜ん!」

歯をむき出して恍惚の表情っ!
あれ以来、どーしてもエジプト人とかいう芸能人と重なる・・・。

  • サソリ

 水牛車のガイドのお姉ちゃんは、とってもステキだった。
どう見ても10代だんべな・・・。
三線(さんしん)を弾いて琉球の歌を唄ってくれた。
いろんな話も聞かせてくれた。
 開けっ放しの琉球家屋。
いろんな生きものも入ってくるそうな。
季節的にもそろそろみんな目覚める頃だそうな。
サソリ、ハブ、ヤシガニ・・・。
家の中にチョロチョロ出て来るらしい。
ほとんど、内地のゴキブリのノリなんだそうな。

「でも、ここのハブは毒が弱いんですねえ〜。咬まれても死ぬ事はありまっしぇんから・・・」

クワバラクワバラ・・・。