珍しくもない本の雑感78(2)
【ちょっといやな話―寄せられた体験】
「最優秀作」の「走るおばさん」・・・。
さて、何だべ・・・?
舞台は広島の路面電車だった。
おばさんが走りながら、「待ってー」と呼び掛ける。
車掌は、走り寄るおばさんをうしろの窓からちらりと見るだけで、無情にも発車の合図をおくる。
電車はおばさんを残して、行ってしまう。
当然、走ってるのが若い女性なら話は違う。
車掌はちゃんと待ってるんである。
極めてふつーである。
この何気ない日常風景。
当ったり前の情景。
これが「最優秀作」かあ・・・。
- フィリピン・パブ
「優秀作」の「16 girls」・・・。
沖縄の、フィリピン・パブの情景を描いてる。
店の事務職のバイトを始めたんだとか・・・。
タガログ語が飛び交う職場。
フィリピン女性は観光ビザで入国してくる。
6ヶ月経つと、家電を土産に蓄えを持って帰国する。
半年単位で女性が入れ替わる。
店のママは名前なんか覚えきれない。
呼称はイニシャルだけ。
「a」〜「p」で16人の女性を管理するんだとか・・・。
ふう〜〜ん。
んで、何がヤな話なんだべ・・・?
これも極めてふつーの日常風景じゃん。
この女性達の人権がど〜の、とか言うんだべか・・・?
対岸の火事・・・?
- 英語
同じく「優秀作」の「英会話」・・・。
ちょうど今、仕事で英語コンプレックスを味わってる。
ちょっとだけ気持ちはわかった。
山手線で、2m近い黒人と隣り合せたそうな。
ヘッドホンから、カシャカシャ音が漏れてる。
”うっせ〜なあ・・・。”
ちょっと肘でつついてみた。
黒人は、ギロッとにらんだそーな。
「ハンマー・マッチョ?」
「ノー、ノー、アイ・アム・ノー・マッチョ」
冗談じゃない。
こんなヤツととっても勝負出来ないべや・・・。
しばらくして、又何か言ってきた。
「トゥー・マッチ?」
「リトル、リトル、ベリー・リトル」
音が大き過ぎるかって?
いや、もめるのはゴメンだから、好きにしてくれ。
逃げるが勝ち、で席を立とうとした。
ぐっと腕をつかまれたそうな。
「ゴー・ターンド?」
「ノー、ノー、ゴー・ターンド、アイ・アム・イタイ・・・」
ここで、近所にいたヒトが助けてくれたとか・・・。
実は、黒人は駅名を訊いてた。
「ハンママッチョー(浜松町)?」
「トゥマッチー(田町)?」
「ゴータンドー(五反田)?」
なあ〜るほど・・・。
けど、何だかなあ・・・。
どー見ても、作戦だべや・・・。
- 募集
これも「優秀作」の「絵画コンクールの話」
絵が好きな中学生の作者。
何度か、絵画コンクールに応募したそうな。
ある日、電話が来た。
「あなたの応募した絵が、第一次予選を通過しました。あなたの絵を批評し、将来性をみてみたいので、保護者の方といっしょに本社まで来てもらえますか」
そりゃ、舞い上がっちゃうべな。
母親と駆けつけた。
「まず、中学生にしては構図がしっかりしてます。でも、技術面で物足りないですね。才能はあると思いますので、今後の努力次第でしょう。当社の開いている絵画スクールでは・・・」
どこがヤな話なんだか・・・?
ふつーに当ったり前の商売ざんしょ・・・。
いい話じゃあ〜りませんかっ!
みんなこうして社会勉強するんだしょっ!