健康診断のこと(3)

  • 紹介

 実は、去年紹介状をもらってあった。
この街の事業所に勤務してる時に、やっぱ血圧で引っ掛かってた。
こっちの事業所の「産業医」は積極的だった。

「僕の知り合いが、ご近所で開業してますから紹介しますよ。とりあえず、一度受診してみて下さい」

 ま、その内・・・とか思ってた。
けど、その内と、オバケは出たタメシがない。
合併騒ぎで振り回されて、いつしか記憶の彼方に・・・。
あっという間に1年以上経ってしまった。
 さて、どーすっか・・・?
1年以上前の紹介状を出すべきか・・・?
賞味期限切れだんべか・・・?
それとも、良く来てくれましたって歓待されるか・・・?
びみょー・・・。

  • ビル診

 週末、覚悟して出掛けた。
我が家から徒歩2分、「街邑クリニック」である。
まだ、新しいキレイな診療所だった。
待合室に入る。

”へっ!誰もいないぜ・・・。”

 スタッフが一斉にこっちを見る。
ざっと6人っくらいいる。

”みんなしてお茶引いてんのかな・・・?大丈夫だんべか・・・?”

これは杞憂だった。
完全予約制なんだとか・・・。
決まった時間にしか患者は来ないんである。
歯医者と同じ仕組みらしい。

  • トーク

 申込書、問診票に記入。
看護師が来て、身長・体重・血圧・採尿・採血・・・。
そして、いよいよ御大登場。

「おはようございまあ〜すっ!」

 へっ?
妙にノリが軽い・・・。
メガネをかけて、真面目そうなとっつあん小僧みたいなドクターだった。
トシは40歳近辺かなあ・・・?
それにしても、良くしゃべる。

「ははあ、健康診断で血圧が高いと言われた訳ですね。血圧だけじゃないですよね。肝臓とか、痛風とかも可能性がありますよね。血糖は高くはなさそうですね。でも、高尿酸はメタボには入ってませんけど、結局は関連してくるんですよね。『オシム』みたいになっちゃ困りますよね・・・」

 一方的にしゃべりまくってる。
どうやら”沈黙は禁”のタイプらしい。
ま、昨今の医者は営業トークも必要らしい。
オシム」は最新のネタなんだべな・・・。

 立て続けに質問が飛ぶ。

「20歳っころの体重で幾つでした?今がピーク体重でしょうか?」
「じわじわと10kgっくらい増えましたね。ただ、ここ数年は気をつけて喰い止めてますけど・・・」
「う〜ん、結構な体重ですよね。理想とは離れてますよね」

 やっぱ、メタボ方向に目が向いてるらしい。

「お酒は・・・?」
「ビールを毎日飲みますけど、そんなに強くないんで大瓶1本っくらいかなあ・・・」
「あと、たま〜に外でとことん飲んじゃったりは・・・?」
「たま〜に外食はしますが、そんなに浴びるほどは飲みません」
「たま〜にってのは、どれっくらいでしょう?」
「週に1〜2回でしょうかねえ」
「そーゆーのは、たまにって言わないですよ。たまにってのは月に1〜2回ですよね」
「そーっすか・・・」

 別に、酒が多すぎるとか、ヘチマとか何とも言わない。
ビールっくらい関係ないって雰囲気である。
ま、そりゃそれで有り難いけど・・・。