珍しくもない本の雑感73

  【美しい老年のために】

  • 勢い

 ありがちなパターン。
ついついシリーズになっちゃう。
こないだ、ワンコネタで「中野孝次」を読んだ。
その勢いで、次もこの本になっちゃった。

 「美しい老年のために」

ちょっと前まで、そんな事考えもしなかった。
最近はホンの少し考える。
老後はどう過ごすの・・・?
 さて・・・?
仕事なんか生き甲斐にならん。
じゃ、趣味が生き甲斐たり得るんだべか・・・?
まったく答えがない・・・。

  • オレ流

 「How toモン」とは訳が違う。
”〜ねばならない。”っとか言うこっちゃない。
このヒト流の「美しい老い」論なんだべな。
実にこのヒトらしい。
いかにも著者らしさ満載。
 作品は5章から成ってる。

    1. 潔い老い  晩年の美意識
    2. いのち華やぐ老い  生きものとの共生
    3. 時を充実する老い  定年後の生き方
    4. 筋を通した老い  上等な好みの生活
    5. 落着きのある老い  自分本位の選択

ちょっと、興味津々・・・。

 著者は、毎日「徒然草」を筆写してるそうな。
トシとともに古典の方が断然面白くなってきたという。
正座して墨を磨る。
磨りながら、今日書く段を読む。
最高の精読の仕方だそうな。
 老年の最高の贅沢。
それは閑暇がたくさんあること。
何をしてもよく、何をしなくともよい。
人間の生涯でこんな恵まれた状態はない。
まさに天の恵みだとか・・・。
 ちょっと”眼からウロコ”が・・・。
そ〜かっ!
何も脅迫概念にかられる必要はないんだっ!
今から”何をするか?”なんて考えなくってもいいべや。

【生涯で最高の閑暇を目指して、今を耐える・・・。】

それっていいかもっ・・・!

  • 指南書

 「徒然草」は美しい生き方を探った本。
同時に”老いの生き方指南書”だという。
幾つか、抜粋があった。

―大方(オオカタ)、聞きにくゝ、見苦しき事、老人(オイビト)の、若き人に交りて、興あらんと物言ひゐたる。

 これは、ジジイがチャラけたカッコで、若い衆に媚びる姿らしい。
最新の流行ネタを、若い衆言葉でのたまう。
「兼好さん」いわく「見苦しきこと」とか。
 そりゃ、もっともだ。
但し、アンテナを錆させちゃいかんとは思う。
若い衆に媚びやしないけど、ちゃんと情報は持ってる。
こんな年寄りがカッコいい。
アンテナも立てられないと、単なる頑固ジジイだべや・・・。