ペット同伴コテージのことⅢ

  • 豪華晩メシ

 キッチンを使って、料理を温めた。
ずらっと並べてみるとなかなか壮観である。

【イタメシ風タコサラダ】
 新鮮なタコブツと色モノ野菜を、オリーブオイルとビネガーで和えてある。
チェリーペッパーやバジルまで載って、芸が細かい。
本格イタメシの味で美味かったあ〜。
【タイの西京漬】
 さっぱりした薄味で、好みだった。
柚子を絞って、上品なつまみになった。
【タイの煮付】
 やっぱ、この辺りで揚がるんだべな。
贅沢なタイ尽くしじゃん。
ビールが進んじゃうわいな・・・。
【お造り】
 メバチマグロの赤身、真ダイ、甘エビの刺身。
新鮮で、脂ブヨブヨが無くって、とっても我々向きだった。
ツマの大根とニンジンは、”そら”が喜んで喰ってた。
【カニ・ホタテのバター焼】
 タラバ、ホタテ、アスパラ・・・。
北海道を想い出すような具材じゃん。
醤油焼きでも良かったんだけど・・・。
【贅沢肉じゃが】
 具材は牛肉とジャガイモなんだけど、かなり上等。
肉はステーキになりそうなヤツをじっくり煮込んであった。
これに丸ごと茹でジャガイモと、ホウレン草が添えてある。
 ”そら”がたまんない。
テーブルの周りを駆け回って、おねだり状態。
あの”そら”が喰いたがるなんて・・・。
【ローストビーフ】
 美味かった!
生涯喰った中で、2番目に美味かった。
1番目は、東京プリンスのパーティで喰ったヤツ。
ローストビーフって、こんなに美味いんだ!っと思わせた味だった。
 ここのもそれに匹敵するくらい美味かった。
2番目だったのは環境が悪かった所為である。
基本的に肉は喰わんけど、これは完食!
【お椀】
 アラ汁だった。
これも美味かったあ〜っ!
素朴で、サカナの天然ダシ100%の美味さ。
やっぱ、グルタミン酸を使わない美味さは、こたえらんない!

 やっぱ、違う。
全て、自然の素朴な味で美味い。
この味は、セントラルキッチンでは出せないべなあ・・・。

  • 温泉

 大ご馳走に釣られて、泊まる事になった・・・。
試練である。
そりゃ、ハンパじゃない。
ま、まずは温泉に逃げよう。
 今度は、2人一緒に出掛ける。
”そら”はお留守番である。
いっちょ前に、”そら”の顔に緊張感が走る。
「こんな臭いとこに、置き去りにすんなあ〜っ!」
って言いたいんだべな・・・。
悪りいっ!
 作戦を変えて、エアコンをガンガン回した。
「低温・抑臭作戦」である。
寒いっくらいエアコン回せば、幾らか臭いも違うべ。
ま、ちったあ違った・・・。

  • 試練

 いよいよ、本格的な試練。
もう、どっかに逃げる訳にゃいかんべ・・・。
次は「酔いつぶれ爆睡作戦」しかない。
セントラルハウスで追加のビールを仕入れて来た。
 更に模様替え。
少しでも、臭いから離れたい。
リビングのテーブルを動かして、ラグやソファーから遠ざける。
これで、ちったあ違う・・・。
訳ゃあないか・・・。
 ガンガン飲む。
つまみは、納豆、鮭とば、サキイカ・・・。
臭いモンが中心。
酔いも手伝って、どっちの臭いだかわかんなくなってくる。
寝るなら今だっ!

  • 悪夢

 っと思ったけど、甘かった。
リビングから離れた和室に布団を敷いて寝た。
でも、やっぱ臭う・・・。
加えて、山ん中の湿ったカビの臭いもする。
夜中に何度も目が醒める。
 アタマが痛い・・・。
アルコールも手伝って気分が悪い。
鼻の奥の方に、臭いが溜まっちゃったみたいな・・・。
悪夢だっ!
寝ても醒めても、アタマから離れない。
ちょー悪夢だっ!