ペット同伴のこと

  • ブーム

 ひと昔前なら、考えられなかった。

ペットが飼えるマンション。
ペットと泊まれるホテル。
ペットと一緒に食事が出来るレストラン。
ペットも入れるショッピングセンター。

 確かにヨーロッパじゃ当ったり前だった。
きちんと躾けられたペットは、どこでも市民権を得てた。
お〜、ようやく日本もそういうレベルになったか。
我が国もペット文化が高まってきたか・・・。
 ヤ、そーゆーこっちゃないべや。
単なるカネ儲けだべさ。
世を挙げてのペットブーム。
これに乗らない手はない。
とにかく何でもペットOKにしちまえっ!
ってんで、何でもあり・・・。

 今を去ること15年前。
”まお”お坊ちゃまとお泊りした事がある。
それも、モグリじゃない。
正式にホテルに許可もらって、泊まったんである。
当時、画期的だった。
 場所は、北海道・十勝岳温泉。
温泉旅館に直談判して、OKを取り付けた。
但し、ケージに入れたままが条件だった。
お坊ちゃまをキャリーケースに入れて連れてった。
 でも、そこは田舎の温泉旅館の良さ。
部屋に入るとすぐ開放。
お坊ちゃまは部屋中を駆け回ってた。
食事を持ってきた仲居さんたちが大騒ぎ。
「あらあ〜、めんこがいるよ〜っ」
「まあ、ホントにこの子はめんこだねえ〜っ」
道産子はみんな、ワンコ大好き。
ケージもヘチマもないべや・・・。

  • 躾け

 お坊ちゃまの躾けには自信があった。
絶対に部屋で粗相なんかしない。
無駄吠えもしない。
まして、ヒト様に噛みつくなんて考えられない。
自信を持って、あちこちのホテルの部屋に連れてった。
ほとんどモグリだったけど・・・。
 我が家には、大きなラケットバッグが沢山あった。
一応、テニスプレーヤーなんである。
キャリーケースごと、入っちゃう大きさのもあった。
これがなかなか重宝した。
きっと、宿のヒトは思ったべな。
”キャンプじゃあるまいし、ずいぶん荷物の多いヒトたちだなあ・・・。”
 最近は、こんな苦労は要らない。
ペット同伴ホテルなんかゴマンとある。
ただ、逆にロクに躾けもされてないペットが集まっちゃう。
予防注射だって怪しい・・・。
それはそれで、心配だよなあ・・・。

 夏休みのフィナーレ。
やっぱ、”そら”と遊びに行こうかね・・・。
あれこれ検索した。
ペット同伴ホテルは、圧倒的に伊豆高原に集中してる。
比較的新しいペンションが多くって、みんな特徴を出そうとする。
競争が厳しいんだべな・・・。
 「オーベルジュ」なんかも沢山ある。
今、ペンション経営ってどーなんだべ・・・?
一時、オーナーを夢見てペンション開業ブームがあった。
でも、ペンションってニンゲン関係がベースだべや。
この殺伐とした時代に出来るんだべか?
 都内のちょー豪華ホテルが盛況だとか・・・。
ニンゲン関係なんか一切関係ない。
カネさえ出せばいいんである。
分不相応でも何でも、”ご主人さま”になれちゃう。
そんな時代なんだべな・・・。
我が家は、ぜってえ伊豆高原だべやっ!