珍しくもない本の雑感72(4)

 【犬のいる暮し】

  • 個体差

 「マホ」って名前の由来。
何でも「ゴヤ」の「裸のマハ」の男性形だとか。
「いなせな」とか、「小粋な」ってな意味があるそうな。
また、小ジャレタ名前を・・・。
 「マホ」が来て、中野家は又、一変したという。
夫婦2人っきりでいると、常に老いがアタマを去らなかった。
近い将来、死が待ってるみたいな・・・。
そんな意識もヘチマも吹っ飛んじゃったそうな。
 初代「ハラス」は穏やかだった。
でも、「マホ」は桁外れのやんちゃ坊主だったらしい。
家中で奥さまの悲鳴が絶えなかったとか。
著者ははじめてワンコの個体差を思い知ったそうな。
我が家の”そら”もねえ・・・。

 実は、我が実家は三島市
それも山の中で、函南町との境目。
元々は嫁さんちと同じ沼津市で生まれた。
自称自然派のじ〜じ・ば〜ばの希望でここに越した。
 自然派なので、あるがまま・・・。
兄弟の間では、実家は「ヤマ」で通ってる。
そして庭は「ヤブ」で通じる。
「来週『ヤマ』に上がるから、ちょっと『ヤブ』を刈っといてくれよ」
じ〜じ・ば〜ばも苦笑い。
でも、どうせ聞いちゃいないんである。
 3人の息子は、みんな「サト」で暮らしてる。
「ヤマ」ではじ〜じ・ば〜ばと忠犬「ゆり」の3人暮らし。
そんで「ゆり」の散歩がじ〜じの日課。
毎日、2〜3時間かけて山ん中を歩き回るらしい。
そりゃ、イノシシにも遭うべーじゃ・・・。

  • 捨て犬

 こないだ、帰省した時にじ〜じいわく。
「最近、捨て犬が多くなって困るだよ・・・」
つい最近、「ボルゾイ」らしき捨て犬に出会ったとか。
この国民は、ますます劣化してるらしい・・・。
 ジモティの間で有名な話があるという。

あるヒトが函南町の山ん中を散歩してた。深い樹海の中から「キャーンキャーン」と凄まじい犬の鳴き声が・・・。どこだろうと探しにかかるが樹海が深くて手に負えない。
近所のジモティや猟犬の助けを借りて、6日後にやっと見つけた。
大型の「シェパード」だった。チェーンでつながれたままで宙吊り状態になっていた。衰弱し、怪我もし、全身がダニの巣になっていた。便からは寄生虫も見つかり、やっと生きている有様だった。
獣医にあずけて何とか命が助かり、訓練所に入れて本式の訓練を受けさせた。とてもいい犬になり、今は家族の一員として暮らしている。

良く出来た話じゃん・・・。

  • 実話

 っと思ってたら、この本にその話が登場。
びっくりした。
”何で、そんなローカルな話が・・・?”
っと思ったら、実はそーゆー本が出てた。
「角谷智恵子」ってヒトの「すてイヌ シェパードの涙」
っていう本らしい。
思いっ切り実話だべさ。
 この「シェパード」を見つけたのが「角谷さん」
樹海で見つけた時に、抱きしめて言ったそうな。

「おまえは、人間を信じたばっかりに裏切られたんだね。そして、苦しい苦しい地獄をみたんだね。でも、もう1回人間を信じておくれ。あそこに見える素晴しい富士山のように、おおきな愛をおまえにあげるから・・・」

「シェパード」は、「富士号」と名づけられたそうな。
捨てるカビあれば、拾う神あり、か・・・。
希少だけど・・・。