珍しくもない本の雑感71

 【サロメの乳母の話】

  • 「アラビアータ」

 久々に「アラビアータ」が喰いたくなった。
それも、ちょっとトンガラシが効きすぎて汗の出るヤツ。
って言えば、やっぱこのヒトだしょ。
塩野七生おばさん」
 今回のは大分古い。
サロメの乳母の話」
昭和58年の作品と書いてあった。
四半世紀の昔ってことか・・・。
まだ、社会に出て間もない頃だべや。
 「七生おばさん」も46歳の時って事になる。
いろいろチャレンジしてた頃なんだべな。
想像力も逞しい。
辛味も十分、期待に応えてくれてた。

  • 解説

 へ?
解説を書いてるのは、あの「田中康夫」だった。
まだ、この頃はヒマだったんだべか?
解説とは言っても、自分のナポリの想い出なんぞ書いてる。
 洗濯モンが連なる「スパッカ・ナポリ
「治安が悪いので立ち入らないで下さい」
どこの旅行社も異口同音。
その裏路地を歩ってきた時の自慢話だった。
 「田中康夫」は「七生おばさん」をずっと男だと思っていたそうな。
確かに字面だけではわかんないかも・・・。
「おばさん」の文章は男っぽい、と言えば男っぽい。
しなやかな印象は受けないべなあ・・・。
でも、カバーの写真を見るとちょっとびっくり。
”へえ〜っ、こんな娘みたいな時代があったんだ・・・。”

  • 一人称

 「一人称で語れっ!」
どっかのエラいヒトがそんな事を言ってたような・・・。
この短編集は、まさに一人称。

    1. 貞女の言い分(オデュッセウスの女房)
    2. サロメの乳母の話
    3. ダンテの妻の嘆き
    4. 聖フランチェスコの母
    5. ユダの母親(ユダの元教師)
    6. カリグラ帝の馬
    7. 大王の奴隷の話(アレクサンドロス大王の召使)
    8. 師から見たブルータス
    9. キリストの弟
    10. ネロ皇帝の双子の兄
    11. 饗宴・地獄篇 第一夜(クレオパトラ、ビザンチン帝国皇后・テオドラ、スパルタ王妃・ヘレナ、ソクラテス夫人・クサンチッペ、マリー・アントワネット江青女史)
    12. 饗宴・地獄篇 第二夜(クレオパトラ、ビザンチン帝国皇后・テオドラ、スパルタ王妃・ヘレナ、ソクラテス夫人・クサンチッペ、マリー・アントワネット塩野七生のご主人)

どれも面白いっ!
やっぱ、「七生おばさん」は面白いっ!