クルマの雑感Ⅸ

  • 宿命

 っだべか?
何で、よりによってお出迎えが「山Gさん」なの?
しゃーない。
作戦通りの話法で相談する。

    1. まず、エアコンを直すと幾らかかるか見積もりを取りたい。
    2. あまりに高いようなら、アプルーブドカー(認定中古車)を見繕って欲しい。
    3. 両方とも上手く行かなかったら、諦めて帰る。

 「10年も待たせて、今さら中古かよ!って思うでしょ?」
一応、気をつかって言葉を添えた。
ま、テキもさるもの、予想通りの反応が返ってきた。
「それはいいんです。本日、お越し頂いただけで有難いと思ってます・・・」
出た!
営業トークとの戦闘開始である。

  • オススメ

 「お客様第一ですから、ご希望通りにしますけど・・・」
出たあ!
この”けど・・・”がクセモノ。
「まず、エアコンだけで30万円以上します」
それは想定内である。
「それと、見積れば多分相当な不具合が見つかると思います」
それも想像に難くない。
「場合によっては100万円以上かかる可能性大ですね・・・」
 「それなら中古車かな・・・?」
次の話法に移った。
「それも、どうしてもと仰るならその通りにしますけど・・・」
又出た!
「私どもが下取りしたクルマですから、原価は良〜くわかってます」
下取り費用、点検費用、1年補償、利益、その後の部品交換・・・。
「あまりお徳にはならないんですよねえ・・・」
ってなこって結局オススメは・・・。
「新車ですっ!」

  • 提案

 「おカネ、無いんだよねえ・・・」
「ご予算はお幾らくらいでしょう?」
「う〜〜ん、250万円っくらいかな・・・」
”あれっ!いつの間にそんなに上乗せになったんだべ?”
「それは中古でもちょっと厳しいですねえ・・・」
 次の話法は、”諦めて帰る”だべさ。
突如、提案が・・・。
「116なんか如何でしょうか?」
「何、それ?」
BMW唯一のコンパクトカーです」
「ふうう〜〜ん」
 現品を見に行った。
”あ〜、これかあ〜。”
1,600ccエンジンで寸詰まりのボディ。
”何も、そうまでしてBMWに乗らなくってもいいべやっ!”
って散々けなしてたアレだった。

  • 誘導

 「ちょっと座ってもいいですか?」
嫁さんがいごき出した。
”おっとお〜っ、あべっ!”
「どーぞ、どーぞっ!今カギを取ってきます」
「山Gさん」ホクホクである。
 仕方ない。
運転席に座ってみる。
今のに較べると窮屈ながら、如何にもBMWのコックピット。
この重厚感、ホールド感、安心感はBMWのDNAか・・・?
「やっぱ、BMって座り心地が違うのよねえ・・・」
嫁さんのトドメ・・・。
 「ちょっと、このまま走ってみませんか?」
出たあっ!
シナリオ通りである。
キーはカードキー方式。
イグニッションはボタン方式である。
走りながら、アタマの中は別な事を考えてた。
”カネの算段をどーしようかなあ・・・。”