「大仁ホテル」のこと(4)

  • アクティビティ

 幾つが、アクティビティもある。
まず「庭園プール」がある。
ってゆ〜かあ、ほとんど「池」だったけど・・・。
「テニスコート」も無料で利用できる。
「ゴルフのショートコース」も無料だという。
ま、雨だったけど・・・。
 多分、家族連れの為に用意したんだべ。
旧「大仁ホテル」はそういうキャラじゃなかった。
子どもに迎合する必要はない。
大人の社交の場だ、みたいな・・・。
隔世の感あり・・・。

  • 沼津弁

 「ひゃあ、困っちまうだあよ!」
「ひゃあ、何だね?」
「ここの石鹸あ黒くて、気持ちわりいだあよ・・・」
「そうだら?俺あ黒れえなあ、使わにゃあだあよ!」
 風呂場での会話である。
竹墨石鹸がお気に召さないらしい。
どーでもいいけど、周りは沼津弁ばっかしだに・・・。
とっても懐かしい。
 それと、世代は圧倒的に団塊世代以上。
我々みたいな中途半端な世代は見かけなかった。
リタイア組と、その子、孫ってな構成も多い。
現代日本の縮図か・・・。

  • スタッフ

 想像だけど、多分スタッフは変わってない。
立居振る舞いが何となく違う。
仕事のやり方が”今風”じゃない。
すごい安心感がある。
きっと、ホテルが叩き売られた後も残ったんじゃないべか?
 もちろん、かなり少なくした。
フロントと売店のスタッフも兼務だった。
レストランは上手に片付けるスタッフだけでいい。
給仕も必要ないシステムになってる。
 部屋に戻ると布団が敷いてあった。
わずか90分間に客室係が奮闘してんだべな。
チェックアウトタイムは12:00だという。
じじ・ばば組みたいに14:00からチェックインする客もいる。
激務だよなあ・・・。

  • 名残

 昔と同じって訳にゃいかないべな。
でも、料理の味は悪くなかった。
この値段だったらちょー御の字である。
ものすごい努力で、システム作りしたんだべな・・・。
感心させられた。
 確かに建物は古くなった。
でも、庭はどんどんハクがついてく。
素晴しい庭園だった。
樹木も、苔むした石も、芝生もきっちり手入れされてた。
枯れた「離れ」の佇まいと見事に調和してた。
 部屋にも往年の名残がある。
横になると、天井に眼を奪われる。
天井板の木目の美しさに、うなってしまう。
その見事さが、何だか物悲しくもあるんだけど・・・。