国際会議のこと
- グローバル会議
今度、トラバった会社は前向きだった。
本気で国際企業を目指してるらしい。
「グローバリゼーション」
いささか色あせた「多国籍資本」の策略用語を多用する。
ま、でも一応、前向きなんだべ・・・。
東京でグローバル会議があった。
海外の子会社から代表が集まった。
アメリカ、ドイツ、ブラジル、中国の子会社だとか。
どーでもいいけど、出席を求められた。
「いや、業務上何の関連もないんで結構ですよ・・・」
「や、部として出席者を決めたんで、出て下さい」
「そーですか・・・」
枯れ木もヤマの・・・か・・・?
- 井川
恐る恐る会場へ・・・。
立派なモンだった。
各席にマイクと同時通訳のレシーバーがセットされてる。
ブースに若気な女性が2人。
大切な会議で誤解があってはいけないから・・・だとか???
あちこちに毛唐がダマになって雑談してる。
当然だけど、全員見たこともない顔ばっか・・・。
ネームプレートはつけてるけど、のぞき込まなきゃ字が読めない。
用も無いのに近寄る気もしない。
触らぬカビにタタリなし・・・。
やがて会議が始まった。
「グッモーニン レディース アンド ジェントルメン!」
”おっ!威勢がいいじゃん。英語でやるんだ!”
っと思いきや、この後の挨拶は原稿の棒読みだった。
”なあ〜んだ。”
しかも大リーグの井川の挨拶並み。
でも、あれが初々しくってえりゃあ好評だったと聞く。
ひょっとして、ウケ狙い・・・?
- 同時通訳
話し手は全員日本語だった。
面白いので、レシーバーで英語への通訳を聞いてた。
「米原万里」が言ってた通り。
女性は交代で同時通訳するけど、話し手との相性がある。
如何にもやり難そうなヒトとスムースなヒトがいる。
前もって原稿も入手してた。
話し手より、プレゼンが上手かったりする。
訳の方が先行したりもする。
「米原ワールド」に浸れて、面白かった。
やがて、休憩時間。
前向きな社員たちは意気盛んである。
「あんな通訳なら要らねえよなあ。俺でも出来るぜ!」
「やっぱ、微妙なニュアンスが伝わってない気がするよな」
元気なこって・・・。
やってみなはれ・・・!
- 再開
休憩時間も終わり。
”井川調”の英語が叫ぶ。
「レディズ アンド ジェントルメン、シッダウン プリーズ!」
”ふつーに日本語でいいのに・・・”
っと思ってると、”井川”が追い討ちをかける。
「サンキュー ベルマッチ!」
何だか懐かしい響きだなあ・・・。
戦後の”ギブミーチョコレート”を思い出すぜ・・・。
さらに続いた。
「サンキュー フォーユア コーポレーション!」
ぷっ!
一同が固まる。
やってくれるじゃん・・・。