珍しくもない本の雑感67(2)

 【王妃 マリー・アントワネット

  • 「原始的蓄積」

 ひどかったらしい。
自国内の弱者と、植民地から徹底的に搾取した。
これを特権階級に集中する。
王侯・貴族・教会に富が集まる。
「原始的蓄積」ってヤツですか・・・。
 構図は現代も同じ。
なんだけど、今はスケールがちっちぇえ!
どうしても、やる事が控えめになっちゃう。
ヘンに近代人ぶるから、中途半端な事っきゃ出来ない。
これから、ベルサイユ宮殿を造るのは至難のワザだべ。
現代、世界遺産を観れるのはこの搾取のお陰。
当時の搾取の豪快さに感謝せなあかんでえ〜。

  • 小麦

 フランスの百姓は苦しかったらしい。
例えが出ていた。

【収穫:小麦12束】

  1. 領主への支払い   :3束
  2. 国税          :2束
  3. 来年用の種      :2束
  4. 耕作の費用      :3束

【残り:小麦2束】

まだあった。

  1. 教会への供出    :1束

【残り:小麦1束】

 この1束はあざといべや。

  • 教会

 教会の評判は良くなかったべな。
当時、大司教枢機卿の生活ぶりは貴族と同じだった。
キリストをダシに使って寄付を強請する。
ヒトの弱みにつけこんだ詐欺と同じだべや。
税金は一切払わない。
最近の訳のわかんないカルト集団と大差なかった。
 百姓はじめ国民は救いがなかった。
カラッカラッに乾いたワラ状態。
一旦、火が点いたらもう・ど・お・に・も・止・ま・ら・な・い。
革命は起こるべくして起こったんだべな。
 フランスツアーの時に不思議に思った。
行く先々で、教会が破壊されたままだった。
フランス革命」のキズ痕だったんだ。
あえて修復しなかった。
ってえ事は、今でも教会への牽制が続いてるんかな・・・。

  • 腕輪

 市民にはいろんな噂が流れてた。
マリー・アントワネットが腕輪を買ったそうだよ」
「幾らだと思う?」
「30万リーブルだとさ・・・」
「先月もダイヤの耳飾を買ったらしいね」
「おんなじくらいの値段だったらしいよ・・・」
 邦貨換算で、1万リーブル=1億円だそうな。
当時、既に王室財政は破綻寸前だったらしい。
アメリカ独立戦争に加担して、莫大な戦費を使っちゃった。
そっか・・・。
野蛮人の血は同じだったんだ。
 いずれにせよ、王室にカネはなかった。
ルイ14世時代の栄光はとっくに失われていた。
にもかかわらず、国王・王妃にはまったくわかんなかった。
革命のエネルギーは着々と・・・。